残暑厳しき、発掘現場 8月18日(火)。近頃発掘現場も暑くなり、お盆前の涼しさはどこへやら…日差しの当たる場所での作業はこたえます。今の現場の暑さはお盆前より厳しいでしょう。日向で作業している者と日陰で作業している者の汗の量がずいぶん違いました。日向で作業していた方々は昼休みにぐったりとされていました。
この日の作業は先生が来られるまで実測用グリッドの設置をおこない、C区の畦の撤去、D区の表土はぎを各自が併行して進めていきます。先生が来られてから全員が遺構検出・・・
D区の表土はぎをおこなうと同時に、B区の畦を撤去した部分の長形大土抗のきわを見つける作業をおこないました。8日にタクオさんが見つけ出した「埋もれた礎石」の手前で閉じることが判明しました。しかしC区でも五輪塔の廃棄土抗が検出されました。これらを見ると南北軸では土抗の列がほぼ並んでいるようにみえます。しかし、このC区でバラけて見られる廃棄土抗のようなものは東西軸で礎石とも対応しているようで、礎石の抜き取りあとに遺物を廃棄した可能性もあるため、慎重に観察していかなければなりません。
一方、D区は土層の変化がわかりにくく、斑になっているタタキと黒灰土の見極めが難しい場所であるため、よく目を凝らしながら表土をはいでいきました。このD区の表土はぎをしているメンバーのこの日のミッションはA区で検出されたタタキとの繋がりを見極めることです。A区からのタタキの伸び方を見ながら、境界を見つけていきます。D区の遺構検出で苦労しているなか、チャックさんが、D区の端にある落ち込みの表土を剥いでいると、礎石と思われる石が検出されました。ただし、平坦面はみられませんので、元の位置から反転して崩れ落ちたのだろうと思われます。

午後からはC区の検出面を露出していた礎石のレベルまで掘り下げる作業をおこないました。前回の作業で発見された礎石により、思っていたより遺構の検出面が低い可能性があるため、C区でまだ高いと思われる壁に近い部分をところを掘り下げていきました。掘り下げる作業を進めるにつれ、またしても五輪塔や土器などがみつかるのですが、肝心の礎石は発見されませんでした。D区ではタタキの繋がりがおおかた把握できましたが、午後から光線がまだらになったので、先生は明日の午前中に線を引くほうが間違いないと言われました。D区でも土器などの遺物は出土しましたが、礎石は検出されませんでした。三和土(タタキ)の面に礎石が存在しないということは、抜き取られている可能性が高いことを暗示しています。
この日の作業終了間近、チャックさんが摩尼寺のご住職に挨拶したいと言われていたので、どんべえさんと共に岩陰・岩窟から立岩をに上り、本堂に下りていかれました。チャックさんは立岩から見る鳥取の景色に感激一入。私もしばらく立岩まで登っていないので、また機会があれば行ってみたいと思います。
今の平面検出を金曜日までに終わらせ、綺麗に清掃して、土曜日には大型カメラでの写真撮影に入ります。先生がなんども松江在住のカメラマンさんと連絡をとられ、今回は4×5は使わず、すべてブローニでの撮影とすることに決まりました。もちろんニコンF4や高解像度デジカメでも撮影します。担当者はアングルと枚数を早急に決める必要があります。また、写真撮影の邪魔となる雑木もできる限り伐採しなくてはなりません。写真撮影が終わればいよいよ実測→レベル測量です。
残暑厳しいなか作業をおこなっているみなさん、水分をしっかり取り、体に気をつけてください(轟)
- 2010/08/20(金) 00:25:18|
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