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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

摩尼寺「奥の院」発掘調査日誌(ⅩⅦ)

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3次元レーザースキャンにむけて

 8月24日(火)。引き続き、上層遺構の平面実測をおこないました。この日から実測初参加の面々がおりますが、1人2枚の実測図完成がノルマであるのは前日と変わりません。黙々と実測を続けるのですが、やはり初参加の面々は神経質になるのか、思うように作業がはかどらないようでした。「死のC区」でも日差しにやられた武蔵くんが実測に苦戦していました。昼休憩も早々に切り上げ、この日のうちに実測図の完成をめざし、皆が奮闘したんですが・・・

 昼過ぎには、先生が測量会社Aコンサルタントのお二人を連れて現場に上がってこられました。このまえの日曜日、先生と山村カメラマンが協議した結果、岩陰仏堂の測量は3次元レーザースキャンしかないだろう、ということになり、以前大学でデモンストレーションしていただいたAコンサルタントに白羽の矢がたったのです。といっても、まだ見積もりの段階でして、3次元レーザースキャンが実現するかどうかは分かりません。先生の思惑は、岩陰地形を3次元レーザースキャンでCG化し、さらに復元建物をCADでCG化して、両者を複合したり切り離したりできるようにしたいようです。
 ところで、コンサルタントのお二人によれば、「先生は山登りの足が速すぎる」そうです。とくに、若いFさんは元サッカー選手の41歳ですが、山道で早々にばててしまい、現場にあがってからもなかなか体力が回復しません。そうこうしているうちに、岩陰・岩窟を経由して立岩(山頂)まであがることになり、先生はまたしても足速に登っていかれるですが、岩窟まできてFさんはダウン・・・山頂制覇を断念されました。結果、先生とIさんのお二人(いずれも50代)だけで立岩に上がられたそうです。先生は、嘆かれておりました。

  かのホカノでも上がってきたし、後期高齢者のカメラマンさんだって登り切ったのに、
  41歳の元サッカー選手が断念とは・・・都市社会の労働は若者の体力を奪ってしまう
  んだな・・・

 昼前から雷がごろごろ鳴始めました。普段なら雷が鳴っても雨なんてちっとも降らないですが、ついに作業中にパラパラと大粒の小雨が方眼紙を濡らします。いつもテントの6柱のうち前方の3柱だけを斜めに立てて片流れ屋根のようにテントを使っていますが、雨に備えて6柱をすべて直立させ、荷物を中心部に押し込み、いったん全員がテントに待避しました。ところが、5分もすれば雨は止み、実測再開。恵みの雨、アーメンはいまだに遺構を湿らせてくれません。
 さてA区(イ-3、イ-4)のスリバチ風大土抗を実測するどんべえさんも苦戦中で、遺構と縮図を交互ににらめっこ。それでも、この日でイ-4を残しましたが実測図はほぼ完成しました。これでレベル測量に移行することができます。
 8月初旬とくらべ近頃は現場の陽落ちが早くなってきているうえに、天気も曇りがちなので、帰り道が暗くなってくることもあります。遅くまで作業しないように1日1日大切に作業していきましょう。(轟)

8月23日大森実測 IMG_2543.jpg
↑実測図(轟)

  1. 2010/08/26(木) 23:10:35|
  2. 史跡|
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