摩尼山の現場にあがる際、ペットボトルを少なくとも3本もっていく。1本は水出し麦茶か自家製どくだみ茶をいれた1リットルのボトル。残りの2本は凍らせた水道水をいれた500ミリリットルのボトルである。下宿の冷蔵庫の冷凍庫には、いつでも5本ばかり水道水入りペットボトルが凍らせてある。前にも述べたように、ペットボトルだけではなく、ゼリーやヨーグルトも凍らせていて、それらもまた山にもって上がる。どのタイミングで食べるのが美味しいのか。そこが難しいところだが、シャリウマの味覚を一度味わってしまえば、だれしも病みつきになるだろう。
この熱い夏に気付いたことがふたつある。
その一。ペットボトルのリサイクルなどというありふれた話題にわざとらしい解を求める必要などなく、そのままボトルとして再利用し、家でつくった麦茶やどくだみ茶、あるいはまた凍らせた水道水をいれる容器として使えばいい。凍らせた水道水の効果は抜群だ。少しずつ溶けてくる冷水を飲むだけでも熱中症対策になるが、溶けた水を飲み干して、小さくなった氷の残るボトルにぬるくなったお茶やジュースをいれて飲むとまた美味しい。熱い山では水分が命だ。おそらく女子学生は、厠の問題を抱えていて、あまり水分をとりたくないと、当初は思っていただろう。しかし、それは杞憂だった。発汗量が尋常ではないので、男女に拘わらず、用を足す必要はない(唯一の例外が私で、たまに雉を撃つため山林に消える)。いくら水分を摂っても、その水分は汗となって消えてゆくのである。
その二。鳥取の水は美味しい。このことは鳥取にいても分からない。じじつ、水道水を凍らせて山にもってあがると述べたら、
「水道水飲んで、大丈夫?」
と問われた。問い手はもちろん地元の方である。
「子どものころ、運動場にある水道の水、がぶのみしただろ!?」
「した、した。いまの子どももおんなじだわ・・・」
2日前、凍らせたペットボトルを1本だけ車に積んで奈良に戻ってきた。4時間ばかり運転して、家に着いた。ペットボトルの氷は5割方溶けていたが、その水をのむと、えらく美味しい。家内に飲ませた。やはり、「美味しい!」と驚嘆した。関西で飲む鳥取の水は美味しい。清涼な水とはこういう水だと思うほどの爽やかな味がする。
次の機会には、鳥取の水を凍らせたペットボトルを数本もって帰ってこようと思う。「特養にいるおばあちゃんにもっていこうか?」と提案すると、「それがいい、おばあちゃん、ものすごく喜ぶと思うよ」と家内は答えた。
母ももちろん鳥取生まれの人である。
- 2010/09/02(木) 00:00:44|
- 食文化|
-
トラックバック:0|
-
コメント:0