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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

摩尼寺「奥の院」発掘調査日誌(ⅩⅩⅨ)

波打つ凝灰岩


波うつ下層の凝灰岩整形地盤

 9月10日(金)。台風の爪あとは鋭く、引き続き遺跡の掃除をしていくのですが、掃除ばかりしていては工程が進まないので、下層遺構の実測も併行しておこなうことにしました。上層の下からでてきた下層に伴う遺構は実測図には赤色で示していきます。
 実測はエアポートさんと轟の2人で手分けして進めていきました。作業自体は上層の実測をしたときよりも少ないため、エアポートさんはすぐに終わると思っていたのですが、轟が担当していたB区とC区の凝灰岩の石敷の表現が上手くいかずてこずっていました。長形大土抗の底全体に凝灰岩がひろがっており、凝灰岩の抜き取られているところなど、ただ石を書くのと違い、非常に複雑で、何枚か描き直していました。実測が終わらなければレベル測量に移行できないため、轟はあせるばかり・・・

 さて、B区長形大土抗底の凝灰岩は泥がかなり沈殿していたため、掃除には苦労しましたが、泥を取り除くと今まで泥に隠れていた凝灰岩の表情があきらかになりました。写真(↑)を見ていただきたいのですが、凝灰岩はマクロにみれば平坦に整形されていますが、その表面はギザギザに波打っており、すでに先生が予想されていたように、下層の「基壇」ではなく、自然地形の地盤を整形したものである可能性が一気に高まりました。凝灰岩は西側の崖(山側)に近いB区とC区で集中的かつ広範囲にみつかっていますが、東側の崖(谷側)に近いA区とD区では、ごくわずかに礎石風の凝灰岩が点在するものです。これについて、加工段の西半分(山側)では凝灰岩層を整形し、東半分では斜めの凝灰岩層の上に整地して平坦面を形成しており、その整地層の上にところどころ柱を立てる礎石として小振りの凝灰岩を配しているものと理解されています。今後はさらにL字トレンチや壁際トレンチを深掘りし、地盤の掘削・整形・整地の状況をあきらかにしていきたいと考えています。

 この日で実測はほぼ終了しました。次回は検出されている下層遺構のレベル測量をおこない、さらにトレンチ内を深堀りし、凝灰岩が見つかっていないところを中心に凝灰岩もしくは地山の検出に力を注ぎます。もちろん途中で礎石などが発見された場合はそのレベルで止めなければなりません。掘り下げの作業を急ぎ、下層遺構の検出を済ませなければならいのですが、掘り下げの作業は、体力がいるためマンジュウではなく大きな道具を慎重に使いながら進めていくことになるでしょう。(轟)


  1. 2010/09/16(木) 00:43:26|
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