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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

摩尼寺「奥の院」発掘調査日誌(ⅩⅩⅩⅩⅩ)

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地山をもとめて

 10月6日(水)。この日の作業は、以下の通りです。

  1 下層遺構のレベル測量
  2 B区L字トレンチ南壁の深掘り
  3 C区西壁突出トレンチの深掘り

 地山(凝灰岩盤)をもとめて掘り下げ始めたB区L字トレンチ南壁の深掘りは、ついに表土から85センチに達しました(↑)。以前、武蔵が地山を探して掘り下げた同トレンチ北側より10センチも深いです。この日は、昨日検出した凝灰岩盤を追って掘り下げていったのですが、作業を開始してまもなくそれはぱったりと途切れてしまいました。途切れた箇所から岩盤を追って徐々に掘り下げていくと、ほぼ直角に下ることが判明。85センチ下げてもまだ岩盤は垂直に整地土の中へ続いていることが明らかとなりました。深掘りを担当していたナオキもこれには仰天!いったいこの凝灰岩盤はどうなっているのでしょうか。
 この日、B区L字トレンチ南壁の深掘りを始めてすぐに、下層基壇土から須恵器と思われる土器を発見。この土器の厚みは7mmもあり、以前、下層基壇土から出た須恵器と厚みが近く同じ土層から出ているので、これも平安期のものと思われます。

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 一方、昨日実測が終わったC区西壁突出トレンチも地山を探して掘り下げを再開。B区L字トレンチ南壁の深掘りが上記の状態なので、地山捜索の頼みの綱はこの突出トレンチです。まずは、昨日発見した凝灰岩を綺麗に露出させ岩盤かどうかを確認していきました(↑)。凝灰岩を露出させていくと、岩がゴロゴロと動きます。残念ながらこれら凝灰岩はすべて浮いており、岩盤ではありませんでした。また、これらは凝灰岩ではなく、安山岩であることも明らかに。しかしながら、これらは密集して出てきており、敷石のようにも見えます。もしかしたら礎石を据えるための根石かもしれません。この状況を先生に確認していただくため掘り下げはここでストップ。
 気づけばあたりは薄暗くなり始めていたので、今日の作業はここまで。両トレンチとも、思うように作業が進みません。B区L字トレンチ南壁の深掘りは、整地土が硬いのなんの。パワーが売りのナオキも、この深掘りには大苦戦していました。また、C区西壁突出トレンチは足場が斜面なので、体勢をくずさずに力いっぱいマンジュウをふるのはこれまた至難の業。なんとか早い段階で地山を発見したいものです。(Mr.エアポート)

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左:B区L字トレンチ南壁から出た須恵器 右:深掘りに苦戦するナオキ

  1. 2010/10/12(火) 12:53:50|
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