1年生後期のプロジェクト研究2が動き始めました。このテーマは、
2008年後期でも使いましたが、あのときは弥生土器の野焼きをしました。今回は、もちろん摩尼寺「奥の院」の発掘調査に加わってもらいます。1年生4名のミッションは、11月末までにⅠ区(下の加工段、約10㎡)を掘りあげ、遺構検出をしてもらいます(もちろん教師と上級生が指導します)。その活動が、10月7日(木)にスタートしました。まずは、題目と授業計画をシラバスから転載しておきます。
<テ ー マ>
歩け、あるけ、アルケオロジー
-摩尼寺「奥の院」の発掘調査-
<授業計画>
この夏休みから、ずっと鳥取市の摩尼寺「奥の院」の発掘調査を続けています。摩尼寺は1200年前の平安時代初めころ、大津市にある天台宗の総本山「比叡山延暦寺」の高僧、円仁が開いたと伝承される密教の寺院です。いまの境内は山のふもとにありますが、江戸時代の初めまで、山頂に近い平坦地に境内を設けていました。そこが遺跡となって残っており、少しずつ地面を掘り下げていくと、上のほうで室町時代、下のほうで平安時代の建物跡がでてきました。夏休み以来の調査は、すでにほとんど終わりに近づいています。ただ、小さなトレンチ(発掘調査区)を2~3残しており、その調査に携わることによって、発掘調査の基礎を学んでほしいと思っています。土を少しずつ少しずつ掻いていくと、地面の下から建物跡がでてきます。そこには土器などの遺物が散乱しています。それらは古代の人びとの生活や信仰の痕跡にほかなりません。「埋もれた文化財」に接することによって、古代のロマンを感じてほしいものです。ちなみに「アルケオロジー」とは「考古学」のことです。
10月~11月中旬: 遺跡の見学、発掘調査体験
11月中旬~12月: 土器などの遺物の整理と分析
1月: プレゼンテーションの準備(パワーポイント作成)

では、次に、情報システム学科T.Sくんのレポートをお届けします。
Ⅰ区の表土剥ぎ 10月7日。今日は早速、摩尼寺の発掘調査区間へ向かいました。まず初めに長い山道を先輩に導かれ登っていきます。登っている最中に、1本の丸太橋をバランス良く渡らなければならない所がありましたが・・・無事皆渡ることができました(稀に落ちる人が居るそうです・・・)。それから数分後、山道にイノシシの足跡を見つけました。マムシも出るらしいので(今回は見る事ができませんでしたが)、気をつけて登っていきました。いよいよ目的地までもう少し、という所で足が悲鳴を上げ、少しの間休ませてもらいましたが、皆に迷惑をかけたかなと反省の気持ちでいっぱいでした。
20分ばかりかけて厳しい山道を越え、やっと目的地へ到着。そこには良くテレビで見る発掘調査の現場がひろがっていました。少し足を休めたところで、先生から調査している「奥の院」の歴史と、岩陰に並ぶ仏像についてお話をうかがいました。あちこちに五輪塔もあり、「蹴ったら運気が下がるから気をつけて」と先生からアドバイスを受けました。
その後、今回わたしたち1年生が担当するⅠ区(下の加工段)の現場へ降り、実際に表土を剥いでみることになりました。まずは、土の上に散らばっている落ち葉を掃いて表土を少しずつ掘り下げていきます。「少しずつ平らにほるように」と先生から指示されるのですが、わたしだけ真ん中が深くなっていきます。そして、掘っていくと、かなりの量の根っこが出現してきました。これを処理しないと掘れないので、剪定鋏や鋸で除去するで根っ作業が一番大変でした。
表土剥ぎの作業は順調に進み、30分程作業をした所で終了。発掘区域に青いビニールシートをかけ、現場をあとにしました。季節が冬に近づいてきているからか日の暮れが早く、帰るときには少し暗くなっていました。登りより足の負担が少ないとはいえ、急な道を降りるのには覚悟がいりましたが、無事全員が山から降りることができました。
今回、わたし以外のメンバーは十分な装備をしていましたが、わたしひとり注意を受けました。シャツは半袖に、靴はサンダルで、リュックにはパソコンを入れていたのです。先生からは、「山を舐めたらいけない。必ず長袖、長ずぼん、登山靴かそれに近い運動靴で登山するように指示しておいたのに・・・」と繰り返し、注意を受けてしまいました。次回からはきちんとした装備で現場に行きたいと思います。

↑Ⅰ区表土剥ぎ。細長いトレンチだが、やはり四分法を採用。
- 2010/10/13(水) 22:21:43|
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