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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

摩尼寺「奥の院」発掘調査日誌(ⅩⅩⅩⅩⅩⅢ)

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岩窟に住むスズメバチ

 10月12日(火)。連休明け、現場には再び学生が集まり、作業再開となりました。

 「C区西壁突出トレンチ」は作図に向け、武蔵くんが作成した「C区西壁」の断面図を参考に土層の線引きをおこなっていきました。「C区西壁突出トレンチ」は「C区西壁」と同じように一番上に表土系の土層が厚く堆積しており、その下の層には上層廃絶後の盛り土となります。以前発見された礎石は、上層遺構に伴うものであり、礎石の下にはさらに凝灰岩が混じった土が確認でき、C区で検出されている、凝灰岩盤を覆うゼリー状の凝灰岩混じりの土に対応する土層で、この土より下が下層に伴う土層と推定されます。表土系の土層と上層廃絶後の盛り土まで斜面に平行な斜めの方向に堆積していますが、下層に伴うものは徐々に水平になるように堆積しているように確認できます。

 一方、ナオキさんが担当した「D区東側斜面突出トレンチ」は、掘り下げてから間もなく土師器のような土器片(小皿?)が発見されたのですが、検出された箇所が崖側であり、上層と下層の土層が判別しにくいため、取り上げは次回となりました。またD区底部の土抗は一度掃除をし、断面の作図に移行しました。
 A区のすり鉢状土抗に設定しているトレンチは掘り下げた部分を連休中に断面(北側)作図をしたのですが、先生が現場に上がられ、一目見た瞬間にトレンチ底部に黒い砂の混じった粘質土が残っており、掘り下げが足りないことを指摘されました。「これが見えないの?」と首をかしげる先生と、それに反論できない学生たち・・・次回に再び掘り下げることになるでしょう。もちろん断面作図もやり直しです。

D区東側斜面突出トレンチ D区東側斜面土抗
↑D区東側斜面突出トレンチ   ↑D区東側斜面土抗

 上記の作業と併行して、縄張りをしていた岩窟内のトレンチ(Ⅳ区)に新たなベンチマーク(BM5)を設け、トレンチの座標測定をおこなっていたのですが、雨の多かった連休中に比べて気温が暖かくなったせいでしょうか、岩窟周辺に何匹かスズメバチが出現。駆除のための殺虫剤も底をつき、危険な状態になったため、作業を中断しました。Ⅳ区はいずれ遺構検出をおこなうのですが、トレンチの座標を抑えるの作業は基本ですので、できる限り早く対応しなければなりません。その後は「B区北壁」の線引きと作図をエアポートさん。「A区礎石落とし穴」を部長さんが掃除をし、断面の線引きに移行することになりました。

Ⅳ区縄張り A区礎石落とし穴
 ↑Ⅳ区の縄張り          ↑A区礎石落とし穴

 8月から現場に通っているものの、これほど大量のスズメバチが出現したことはありません。作業中にスズメバチに刺されでもしたら大変なことです。駆除ができるように殺虫剤を補充しておかなければ。(轟)
  1. 2010/10/16(土) 22:57:42|
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