公開検討会を11月27日(土)に開催 10月13日。この日は、県市の埋蔵文化財担当官が視察にいらっしゃいました。発掘現場の現状確認と今後の方針についてアドバイスをいただきました。併行して、学生たちは以下の作業を進めました。
1 C区西壁突出トレンチの断面作図
2 礎石落穴(A区)の検出
3 炭入土坑(A区)の検出
4 Ⅲ区掘り下げ
午前中、先生が県市の方々にⅡ区の遺構全体の検出状況を説明されました(↑)。その後、各トレンチをまわられ土層や遺物を確認。また、昨日検出した土器も何点か見てもらい、年代や特徴など教えていただきました。
D区東側斜面で発見した赤褐色の分厚い土器は、土師器であることが判明。残念ながら年代は不明だそうですが、ハジキならば古墳時代から奈良・平安時代に生産されたものですし、今回出土した土器は分厚い断面を持っているので下層遺構の年代特定において期待できそうです。また、ナオキが掘り下げているD区東側斜面突出トレンチから出た土器2点もみてもらいました。浅い面から出た土器には縁が残っており、わゆるカワラケのようです。中世の小皿ですね。となると、下層の整地土に伴うものではなく、上層の整地と係わる可能性が高いでしょう。深いところから出た土器も中世の小皿のようです(ともに断面は薄い)。おそらく上層の崖側の石垣築成と係わるのでしゃないでしょうか。ちょうど石垣の裏込めにあたる位置なのです。今後精査しなくてはなりません。
Ⅱ区を一通り見ていただいたあと、今後の調査について助言をいただきました。先週、B区L字トレンチ南壁の深掘り(加工段中央)で斜めに下る土層を確認したのですが、これが平坦地の谷側でも土層が下っているかどうか深掘りして確認したほうがよい。また、B区の円形状の集積遺構も、長形大土坑からトレンチを入れて全体の断面をみるべきとのこと。トレンチを1つあけると、遺構検出、平面・断面の作図・注記と作業は一気に増えます。ん~、週末にはⅡ区の現場を終わらせようと思っていたのですが・・・、学生の力でなんとかなるでしょうか??

↑分厚い断面を持つ土師器? ↑中世の小皿
Ⅱ区の後、Ⅰ区、Ⅲ区、Ⅳ区を確認し、埋め戻しの作業や来年の調査、公開検討会について話し合いました。以下、いくつか協議した事項を公開しておきます。
1)来年度に向けて、岩石標本、花粉分析標本、炭(C14用)などの資料を採取したいが、
大学側はだれも経験がないので、市のKさんに指導をお願いすることになった。
よろしくお願いします。
2)来年度は、新たに予算を獲得し、上記の分析、あるいはボーリング調査、岩窟の加工痕跡
の調査などをおこなう。
3)現場の
公開検討会はプロの研究者だけでなく、一般の来場者も認める。
その日時は
11月20日(土)が最有力候補。21日(日)および
27日(土)を予備日とする。この段階で、ほぼ発掘調査は終了し、調査成果とともに、
復元の叩き台を示す。広報は大学の企画広報課を通じておこなうが、県内の文化財主事等
にはメール等で連絡する。
*注意:その後の協議の結果、公開検討会は11月27日(土)午後に変更となりました! 4)埋め戻しは公開検討会後、すみやかにおこなう。砂撒きはなしとし、土嚢で遺構面を養生し、
土嚢を土で覆う。埋め戻しの作業には、近隣集落等から作業員を雇い、2日で終えたい
(2日で終わらない場合は1日学生が追加で働く)
午後の調査では画期的な発見がありましたが、それは次回のお楽しみ・・・(Mr.エアポート)

↑新たに掘り下げすることになった集石遺構の縦割りトレンチ(縄張り)
- 2010/10/17(日) 12:39:58|
- 史跡|
-
トラックバック:0|
-
コメント:0