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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

摩尼寺「奥の院」発掘調査日誌(ⅩⅩⅩⅩⅩⅥ)

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大詰めの断面調査

 10月14日(木)。プロジェクト研究2「歩け、あるけ、アルケオロジー」の日ですが、1年生は大学でⅠ区調査のためのミーティングをしたのは、すでにお伝えしたとおりです。結果、現場はいつもと変わらぬメンバーが作業しました。

 午前中は新たに掘り下げる箇所として、13日に設定した「B区長形大土抗集石遺構縦断トレンチ」を掘り下げていきました。長形大土抗からB区集石に向かって、凝灰岩盤を追って掘り進めていき、岩盤の広がりを確認していくと、1mほど掘り進んだところで岩盤が途切れているように確認できたのですが、午後にナオキさんが引き継いで掘り下げたところ、凝灰岩盤は集石遺構の手前まで伸びていることが判明(写真↓)。岩盤の表面は平坦ではなくゴツゴツしていますが、さらに伸びている可能性があります。次回からトレンチを広げて、岩盤の面的な広がりを確認する予定です。集石遺構内の上端にわずかに残るタタキは重要な証拠であるため、今後どのように掘り進んでいくか慎重に考えなくてはなりません。
 上の作業と併行して、断面の線引きをおこなっていきました。A区L字トレンチの深掘り部分はまだ残りがあるものの西側の線引きを済ませ、午後から作図に移行しました。さて、前回明らかになった、すり鉢状土抗下層の層井戸の掘り下げと線引きは先生が自らおこないました。深掘りした箇所の中央には炭化した井戸の枠板痕跡が確認でき、その外側の掘形となる土層は斜めの方向、井戸枠内は下層廃絶後の埋土が水平に堆積していることが分かり、こちらも午後から学生が作図しました。

B区集石まで伸びる岩盤


 午後からはプロジェクト研究4「はるかなまち倉吉の町並み探索」があるため、先生と倉吉の調査に関係する学生は下山し、車で倉吉に向かいました。残った学生は、断面の注記に向け、断面作図に移行することになりました。どんべえさんが線引きしたA区の「炭入土抗」と「礎石落とし穴」の作図を部長さんが担当し、「A区L字トレンチ深掘り」は東側の掘り下げが残っているため、西側の作図をおこなっていきました。また午前中に先生が線引きされたA区の「下層井戸」の作図を轟、「D区東側深堀トレンチ」をエアポートさんが担当し、注記の準備が整いました。
 その間ナオキさんは、Ⅲ区の樹根を取り除く作業をおこない、次回には平面実測をおこなうことが可能となりました。(轟)

炭入土抗断面 礎石落穴断面
↑炭入土抗断面           ↑礎石落穴断面


  1. 2010/10/19(火) 22:20:24|
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