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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

摩尼寺「奥の院」発掘調査日誌(ⅩⅩⅩⅩⅩⅧ)

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全員集合!

 10月16日(土)。今日はおなじみASALABメンバーにプロ研2「歩け、あるけ、アルケオロジー」の1年生たち4人も加わり、賑やかな1日となりました。作業内容は、以下のとおりです。

 (Ⅰ)断面の線引き・作図
 (Ⅱ)平面の実測
 (Ⅲ)作図の終了した断面の写真撮影
 (Ⅳ)B区長形大土坑集石遺構の掘り下げ
 (Ⅴ)Ⅲ区(岩陰トレンチ)掘り下げ
 (Ⅵ)下層井戸遺構の平面検出
 (Ⅶ)D区台形トレンチの平面検出
 (Ⅷ)岩窟のスケッチ
 (Ⅸ)Ⅰ区(平坦地)の地区割り【P研2】

+++

(Ⅰ)断面の線引き・作図
 午前は、推定・下層井戸遺構北壁の作図をエアポートさんが、C区西壁突出トレンチ南壁の作図と平面実測を轟くんが担当。どちらも午前中に作業を終え、午後からはエアポートさん…C区西壁L字トレンチの線引き・断面図、轟くん…長形大土坑集石遺構の断面図の作成に着手しました。写真は、寝そべって断面を見る轟くん。「やっと地面に寝そべって断面を見るようになったな」と先生は満面の笑みでした。
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(Ⅱ)平面の実測
 轟くんが断面図を作成したC区西壁突出トレンチ南壁の平面を実測。また、Ⅲ区・岩壁トレンチの掘り下げのあと<後述の「(Ⅴ)Ⅲ区掘り下げ」参照>、すぐに平面の実測へ。こちらはタクオさん・エアポートさんが担当。

(Ⅲ)作図の終了した断面の写真撮影
 土層の線が確定し、作図が終了次第、断面の記録写真を撮っていきます。A区炭入土坑 礎石据付穴・礎石抜取穴、A区礎石落とし穴、B区L字トレンチ南壁を撮影。深前回の断面図撮影と同じく、まず撮影日付・遺構名・方角(「E→W」など)を記入した紙を撮影、その後当該断面を撮影。それぞれF4フィルムカメラ・RICOHカメラを携えた武蔵・ドゥンビアが撮影して回りました。

(Ⅳ)B区長形大土坑集石遺構の掘り下げ
 既に短いトレンチを掘り下げている集石遺構ですが、石をはさんだその反対側(北側)にも掘り下げを拡張、下層の凝灰岩盤が続ていることをナオキさんが確認。南側の断面作図が終了していなかったことと、ベルトを残す意味合いもあり、間にベルトを作っての掘り下げとしました。<(Ⅰ)断面の線引き・作図の写真参考>
(Ⅴ)Ⅲ区(岩陰トレンチ)掘り下げ
 Ⅲ区については、タクオさんが掘り下げをおこないました。ここでも根に苦戦。根付きにくい場所にも根を下ろし、たくましく伸びていく植物の力強さには本当に驚かされます。午後には実測まで進み、レベル取りもおこないました。
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(Ⅵ)下層井戸遺構の平面検出
 ナオキさんが、すり鉢状遺構に30㎝のアゼをもうけ、半月状にたちわりをし、タタキをめくっていきます。下層井戸遺構を掘り下げた際発見された井戸の木枠を平面で見てみます。タタキの下からは「蝶番」と思われる金属の遺物が見つかりました。井戸枠については、これをC14に出せば下層成立年代が明確になるということで、非常に重要な遺構であるため、この層を壊さないよう細心の注意を払っての作業となりました。この日はタタキをめくって、作業を終えました。
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(Ⅶ)D区台形トレンチの平面検出
 夏の発掘で、穴等が見つからなかったD区台形トレンチですが、他の区域で礎石据付穴・礎石抜取穴が発見されたことから、あらためて平面検出をおこない、武蔵くん・ドゥンビアが据付穴および抜取穴の発見に努めます。時間の経過とともに土の表面が変色していたため、表面をめくって再検出。穴ではないかと考えられる黒い土が広がる箇所を発見しました。明日さらに検出を進めます。

(Ⅷ)岩窟のスケッチ
 スケッチを描くのはもちろんヒノッキー。昼休み、1日の作業終了後などに、ちらちらと様子をのぞきましたが、どのスケッチにも感嘆の声が抑えられません。完成してブログにあがる日が待ち遠しいです。

(Ⅸ)Ⅰ区(平坦地)の地区割り【P研2】
元気いっぱいの1年生たちは、部長さんのご指導のもと、Ⅰ区の地区割りをおこないました。午後からは上層の掘り下げまで実践。詳しくは、1年生のブログ記事をご参照ください! 写真は、休憩時間に岩窟を散策する1年生&ヒノッキー。遠目からでもにじみでるこのフレッシュさ……懐かしいです。
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+++

 それにしても、今週(特に後半)は本当に清々しい晴れの日が続き、天候に恵まれていますね。しかしあたたかな日差しとは対照的に、空気はどんどん秋らしく、冷たくなっていきます。
 皆様、季節変わり目の風邪にご注意ください。(きっかわ・ドゥンビア・どんべえ)

  1. 2010/10/20(水) 23:37:32|
  2. 史跡|
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