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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

摩尼寺「奥の院」発掘調査日誌(ⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅡ)

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斜面における上下層の境はどこなんだろう?

 10月20日(水)。主に土層断面の線引きと作図をおこないました。

 線引き&作図の対象は、新たに掘り下げた「C区西壁突出トレンチの延長部分」と「D区東側斜面トレンチ」です。両トレンチとも掘り下げが完全ではないので、前回「D区東側斜面トレンチ」で検出された遺物を取り上げる作業と併行して、トレンチを掘り下げていくことに。「C区西壁突出トレンチの延長部分」は延長部分の中間にポツリと置かれた平たい礎石のような石が現位置から動いているのかどうかを確認するため、上層のタタキである「茶褐土」までしか確認できておらず、前回よりさらに30cmほど掘り下げが必要でした。
 「D区東側斜面トレンチ」は斜面であるため、上層と下層の識別が難しく、下層と思われる土層が確認できるまで、「D区土抗」を含めて掘り下げることに。前回は下層であろう「茶褐土」が確認できるレベルまで掘り下げていたのですが、「D区土抗」の底部では、上層の整地土と思われる「暗茶灰土」しか発見できていないため、土抗も深さが40cm程度になるまで掘り下げるのですが、同じく上層と思われる「黄灰土」までしか確認されませんでした。やはりD区斜面では上層の土層と下層の土層がどこかで入れ替わっているのでしょうか。トレンチの掘り下げ後は直ちに、線引きに移行し作図していきました。

R0012927.jpg

 さて肝心のA区下層井戸の平面検出ですが、斑になって見える部分が多く、断面を確認しながらも、どの程度のレベルまで掘り下げていいものか分からず、一旦、井戸枠内埋土最上層となる「黒灰土」をすり鉢状にならした程度で終了。前回発見された謎の黒いピットの正体もつかめず、担当していたナオキさんはⅢ区での作業に移行しました。岩陰直下のⅢ区は半割りしたトレンチの断面で確認された、掘立柱抜取穴を平面的に捉えるため、半割りのもう一方の東側の平面検出をおこなわなければならないのですが、大きな樹根に阻まれているのです。それを取り除く作業を先生から指示されていたのですが、作業内容の伝達がうまくいかず、Ⅲ区の掘り下げた部分(西側)の樹根を取り除いてしまいました。当然のことながら、またお目玉をくらうことに・・・(轟)


  1. 2010/10/26(火) 12:42:51|
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