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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

摩尼寺「奥の院」発掘調査日誌(ⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅢ)

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銭があぁればねぇ

 11月7日(日)。さてⅡ区での作業も残り少なくなってきました。下の加工段Ⅰ区でも上層遺構の検出が終了し、この日から下層遺構の検出に移行しました。プロジェクト研究2(1年生)の報告は別に記事をアップしていますが、Ⅱ区との作業もあわせ、Ⅰ区の下層検出についてもう少し細くレポートさせていただきます。

 Ⅰ区では、下層遺構深掘りのために、3ヶ所のトレンチを設けてあり、まず畦付近に断面観察用深掘りトレンチを設けて、試し掘りしました。一体どの程度掘り下げれば下層までたどり着くのか。いざ掘り下げていくと、75cm近く下げても下層に伴うであろう赤褐色の土はみえてきません。断面確認トレンチの土層をチェックすると、タタキの下はⅡ区「D区東側断面トレンチ」で確認されたような、上層整地土の茶灰色の土が見えます。その下には茶褐色の土が厚く堆積しており、下層に伴う土層があるとすれば、まださらに下だと思われます。

PB070019.jpg この日は2ヶ所のトレンチを30cmほど掘り下げ、茶褐土まで検出し、残りの1ヶ所では、茶褐土のようですが、硬い土が確認され、一時掘り下げを中断。遺物が何点か確認され、カワラケが数点ですが、茶灰色土の層から銭貨が発見されました。これまでⅡ区では数点、銭貨が確認されたのですが、表土上のものが多く、ほとんどの銭貨の表面が錆ついていました。今回出土した銭貨は土中で確認されたため、半分以上が欠けていましたが、文字自体はしっかり確認できました。いずれ拓本をとり、年代の特定もできるでしょう。

 Ⅱ区の平面検出は、昨日先生が検出されたA区L字トレンチ際の礎石周辺とその隣の動いている礎石の周辺を精査し、据付穴と抜取穴を検出。D区台形トレンチ内で確認された穴を検出し、C区全体の平面検出もおこないました。検出された穴はいつもどおり線引きし、実測していきました。平面精査の作業自体は進んでいるのですが、上層礎石の抜取・据付穴らしきものは僅かしか検出されていないのが現状で、わたしが卒業研究で復元予定の上層遺構の平面がまとまりません。少々不安に駆られております。(轟)

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  1. 2010/11/14(日) 00:02:45|
  2. 史跡|
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