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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

摩尼寺「奥の院」発掘調査日誌(ⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅤ)

IMG_2415.jpg


赤と黒のベタ基礎??

 11月8日(月)。昨日Ⅰ区で始まった下層遺構の検出は、Ⅰ区の一番奥のトレンチの平面で黒灰色の土が検出され、それが土抗か柱穴である可能性があり、遺構のエッジの確認が必要でした。以前上層で検出されたピット(あるいは窪み)を飛ばしてしまわないようにしつつ、20cm幅であったトレンチをさらに拡大していきました。その際、トレンチ周辺にある平たい礎石の断面を確認するため、トレンチの幅をひろげていきました。拡大部分を掘り下げると検出された黒灰色土の土抗部分はさらにひろがっている模様で、全体の形状を掴むことができませんでした。(写真↓)
 それ以外の2つのトレンチは、平面で遺構が検出されていないのならば、掘り進んでもいいと前日に先生から指示を受けていたため、掘り下げていくことに。しかし、如何せん学生は平面の検出が苦手なため、Ⅰ区作業を担当していたナオキさんと私は、もしかしたⅠ区の下層遺構を飛ばしてしまっているかも知れないと心配しながら、作業を進めていきました。不安にかられながらも一つひとつ土層を確認し、断面に線引きしながら作業を進めると、やはり茶褐色の土が続くのですが、必ずしもそれが下層に伴うものではないと言い切れません。

DSC_0834.jpg


 Ⅱ区での作業は平面精査とともに、井戸北側の断面の作図、A区南壁の作図をおこないました。井戸北側は以前北側の抜取穴を検出した際に掘り下げた部分を先生が線引きされていたため、作図に入ることに。
 A区南壁際の穴は、先生がチェックされた断面に残る掘形の線引きが再びおこなわれました。そしてこのA区南壁でも、井戸断面で確認された黒灰褐色土と赤褐色土の二重ラインの土層が検出され、もしかすると、井戸同様に南壁周辺にも不同沈下防止のために薄い鉄板状の材が広範囲にわたって使われていたのかもしれません。しかし、いずれも井戸の近辺であることに変わりなく、先生によると、下層から上層の整地に移行するにあたって、井戸まわりに不同沈下をおこさないためのベタ基礎のようなものを配したのだけれども、結果として、上層建物の重みによって、井戸を中心に不同沈下がおきた結果ではないか、とのことです。(轟)


  1. 2010/11/17(水) 22:09:41|
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