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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

新羅の道-慶州(Ⅴ)

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石窟庵と仏国寺(下)

 石窟庵を訪問後、仏国寺へと向かいました。相変わらずタクシーの運転手さんはご機嫌斜め。「見学時間が長い」というんです。しかし先生の巧みな話術?で、険悪なムードにはならずに済みました。

 さて、慶州吐含山の麓にある仏国寺は、石窟庵とともに、護国の念願を達するために新羅第35代景徳王10年(751年)、当時の宰相、金大成によって設計され、創建された寺院です。1995年、世界文化遺産に登録された仏国寺は、今でも大きな境内をもつ寺院ですが、最盛期の8世紀から総2000間、約60棟の木造建物が建立を繰り返してきており、現在の伽藍は当初の10分の1ほどの広さでしかないというのだから驚きです。仏国寺は朝鮮三国統一後、国が安定し、文化が栄えた時期に建てられ、仏国という言葉は、「すべてが完全に備わった安楽と清潔な国になろうとする願い」の意味が込められているそうです。以後、高麗~李氏朝鮮時代に何度か補修・改修をおこないながら、約650年その姿を保っていたのですが、豊臣秀吉の朝鮮侵略にともない、多くの堂塔が焼失してしまいました。1605年に修復工事が始まり、その後、日本の朝鮮統治時代までに荒廃。1969年発掘調査後、新たに無説殿、観音殿、毘盧殿、経楼、回廊などが1973年の改修工事によって復元されました。

R0013629.jpg 石垣で固めた盛土の上に伽藍が配置され、伽藍は大きく3つの区域に分かれ、回廊で区切られています。参道正面から2つの区域があり、各区域がそれぞれ蓮華橋・七宝橋と青雲橋・白雲橋で外の世界と結ばれています。伽藍の東側は二段の高大な壇上に甍を並べて中枢となる部分を作り、西側は一段の壇上で、石段を用いて接績しています。この両段には雲梯石階を架けて前庭との通路となっています。東の雲梯は青雲橋・白雲橋といい、2つの石段を登って、紫霞門に通じています。この雲梯は751年の時から存在している遺構と考えられており、国宝にもなっていますが、そのためか、現在この雲梯を登ることはできず、脇の坂道から大雄殿に抜ける形となっています。西の石梯は蓮華橋・七宝橋(国宝)といい安養門を通り、極楽殿へと向かうものです。紫霞門を抜けると左右に回廊が廻り、両端の経楼に至ります。ここから北に向かうと無説殿があり、また左右に分かれる回廊で大きな1区画が形成されています。この大きな区画の中央に大雄殿(金堂にあたる)があり、殿前には多宝塔(国宝)と釈迦塔(国宝)が相並んでいます。


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 ひととおり境内を見まわったあと、一行は最後に正面の紫霞門と安養門を見学するのですが、ここで先生がある物を指さしました。それは紫霞門の両端に設けられている経楼の下部を支える持ち送りの石組の構造物です。これこそが、法隆寺の「雲斗雲肘木(くもますくもひじき)」の曲線と系譜関係があるかもしれない、唯一の物証なのだとか。
 「雲斗雲肘木」といえば、だれだって分かるだろう、という顔で先生は話をされます。しかし、大半の学生はキョトンとしています。正確にいうと、エアポートさん以外の学生はみな何のことだか見当もつかない、という顔をしているのです。その空気を察知した先生は、「雲斗雲肘木がどんなものか分かる人?」と学生たちに問われました。うなずいているのは、エアポートさんだけです。
 先生はたいそう落胆されておられました。ASALBのゼミ生が、飛鳥白鳳様式の象徴ともいうべき「雲斗雲肘木」を知らない。面目この上ないとはこのことですが、翌日の帰国に向け、釜山へと向かうしかありませんでした。(轟)

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  1. 2010/11/26(金) 01:05:12|
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