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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

摩尼寺「奥の院」発掘調査日誌(ⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅧ)  

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発掘現場埋め戻し!

 公開検討会翌日の11月28日(日)から現場の埋め戻しに着手しました。4ヶ月近く苦労して調査した「奥の院」が、あっさり埋まっていくのを見ると、なんだか切なくなりますね。埋め戻しには、摩尼寺近隣住民の方々にも協力を呼びかけ、学生と一緒に作業しました。

 28日は計12名が参加。まずはブルーシートをはがし、柱間グリッドを示したビニール紐やトレンチの縄張りをはずしていきました。次に土嚢作り。史跡レベルの埋め戻しでは、遺構面に砂をまくそうですが、今回の現場に砂を運ぶの不可能です。県市教委の指導もあり、土嚢で養生することになりました。また、埋め戻しの作業と併行して、自然科学分析のサンプル採取をおこないました。この日採取したサンプルは「花粉分析」と「岩石標本」の資料です(C14年代測定の炭は既に採取済み)。
 以前、市教委のKさんにサンプル採取の指導を受けたので、それにしたがって主要箇所の土を採取していきました。花粉分析についてはフィルムケースを使用し、まずはⅡ区から採取。採取箇所は、深掘トレンチ2ヵ所、下層井戸遺構、溝状遺構、長形大土坑、C区斜面突出トレンチの計6箇所。その後、Ⅲ区、Ⅳ区、Ⅰ区深掘トレンチで採取しました。岩石標本も、凝灰岩盤、礎石、岩陰、安山岩盤、自然石などの一部を採取。
 その間も、埋め戻しは順調に進み、28日の作業でⅡ区のA区・B区L字トレンチ、長形大土坑が埋まり、Ⅲ区、Ⅳ区は元通りに。そうこうしていると午後4時すぎになって、父兄懇談会に出ておられた先生がある父兄をつれてあがってこられました。ヒノッキーのお母様です。なんでも、娘が山にいるとの情報にとても不安をかられたそうで、心配のあげく先生についていくことに決めたのだとか。最後に、井戸跡に「井戸神の息抜き」用の竹をさし、線香をあげました。麦積山で買ってきた大きな線香を井戸まわりの地面につきさして、焼香したのです。

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↑28日の埋め戻しはここまで(白色は土嚢)。

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 翌29日は、覚寺集落からさらに1名加わり、作業員6名、学生4名で作業再開。作業員さんは70歳近い方々がほとんどなのですが、とても元気です。普段から農作業をされているようで、たんたんと土を運んでいかれます。中には地区の運動会で上位に入る方もいらっしゃるとか。土を運ぶだけではなく、時にはスコップを片手に廃土をくずしては、バケツに土を入れ、それをひょいっと持ち上げてトレンチへ持っていくなど、一連の動作までこなしていました。学生よりも働いているようにみえます。

 昼を過ぎるとⅡ区の埋め戻しはほとんど終わり、Ⅰ区の埋め戻しを併行しておこないました。もちろん井戸は竹をさしたまま埋めました。午後からは先生も作業に加わり、さらにスピードアップ。高回転で埋まっていきます。おかげで予定よりも若干早く埋め戻しが完了。残った時間に調査道具を片付け、手分けしてふもとまで運搬しました。調査担当の学生だけではとても2日では終わらなかったでしょう。作業員さんをはじめ、協力してくれたゼミ生に本当に感謝です。
 埋め戻された「奥の院」を見ると、調査していたときの風景が走馬灯のように頭の中をめぐり、なんだかこみ上げてくるものを感じました。調査は終わりましたが、これからまとめです。まだまだ気は抜けません。(Mr.エアポート)

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↑「井戸神の息抜き」用にさし立てた竹。先生が新しいアイデアを考え出されています。八角形にならぶ太い杭列は「息抜き」の竹をとめる材だろうと公開では説明しましたが、今は息抜き竹を覆うための屋根を支えていたのだろうとおっしゃいます。雨や雪で竹筒の口がふさがるのを警戒し、八角形の館に納めたのだろうというわけです。この説が正しいとすれば、井戸神は心底大事にされていたことになりますね。古代人は、これほどまでに井戸神さまを大切に扱っていたのに、ナオくんは竹筒に葉のついた枝をさしこんでしまいました。「だって、竹の節あけてないもん、何してもおんなじだわ」とのこと。先生は苦虫をかみつぶしたような顔をして、その枝を抜き取られました・・・

  1. 2010/12/03(金) 00:06:21|
  2. 史跡|
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