篆書の宋銭 今回は各々が担当する話題についての中間発表をしました。ひさびさ講義室での活動です。
トップバッターのU君は、五輪塔と石仏の頭について語りましたが、本やネットで集めた情報のみであったため、先生からは「それは考察の前提となる基礎情報」だから、もっとオリジナリティを高める必要があるとアドバイスされました。前週末、摩尼山の石仏を網羅的に写真撮影してきているので、そのデータベースづくりから始めることになりそうです。
続いてTさんは眼鏡のレンズについて発表しました。Ⅰ区でどの場所で発掘されたか、レンズについて何故発表しようとしたか、眼鏡が日本にきた歴史など詳しく述べました。先生は、レンズを取り上げ調べるのは面白い、昭和のものだろうが、「奥の院」を訪ねた人が落としたものだろうけど、レンズにも流行があるから、「形」「色」「厚さ」「材料」などで年代がわかるだろうと言われます。
3番目に、わたしが「こね鉢」について発表しましたが、こね鉢について情報が少なく、(自分の調べ方が悪かった)わけのわからない発表になってしまったため、2分も発表することができませんでした。先生からは、まず中世のこね鉢の写真や絵を沢山集めなければならないと指摘され、こね鉢をよく学んでから専門家の話を聞きに行こうと言われました。
最後に、SさんがⅠ区で発掘した「割れた銭貨」にについて発表しました。先生から「歴史学のセンスがある」と絶賛された発表でした。まず参考文献から、江戸時代鎖国時の「貿易用の通貨」であるかもしれないと推測したのですが、貿易用通過は字体が行書で出土品と異なるので、さらに調べたところ、中世の宋銭とよく似ていることが分かってきました。こちらの字体は篆書で、出土品とよく似ています。先生によると、奈文研の考古学者さんも「宋銭だろう」と言われたそうです。これが宋のお金だとすると、もうひとつ別の出土品が気になります。Ⅱ区ででた青磁の香炉は宋からの輸入品で、15~16世紀のものだと言います。はたして、宋銭と宋の香炉が結びつくのかどうか、とても気になりますね。Sさんの発表は、本番で発表できるぐらいに完成度が高かったです。
発表練習のあと、先輩がたから詳しい資料などを配布してもらい、今後の日程をみんなと話し合いました。その結果、1月11日に一旦みんなと集合し、冬休みでどこまで研究が進んだのかを話し合い、ここで本番までの最終日程を決める予定です。
本番まで1ヶ月程度しかないのでさらに忙しくなりそうです。(情報システム学科T.S)
- 2010/12/22(水) 01:10:27|
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