
メリークリスマス!
みなさんはどんなイブを過ごされましたか?
さて、お天気にも恵まれた12月20日(月)、ASALABの忘年会がおこなわれました。会場は鳥取県智頭町板井原のお食事処「火間土」です。なぜ忘年会なのに飲み屋じゃないの?と思われたかもしれませんが、今回板井原へ行ったのには他に大きな理由があるからです。2008年度の鳥取県環境学術研究振興事業に係わる調査研究の成果報告書『
文化的景観の解釈と応用による地域保全手法の検討』が刊行されたことを、お世話になった板井原集落の皆さんへお知らせするために忘年会を兼ねて板井原を訪れました。

「火間土」は集落保存会長ご夫婦が経営されているお食事処で、その名の通り、カマドで炊いたご飯と山菜料理をいただけます。2008年度調査の際には、座談会や研究会の会場として大変お世話になったお店でもありますが、私は板井原集落が今回始めて。写真で何回も見たことがあっただけに胸が躍ります。
お昼ご飯のメニューは、かまどめし、なめこ汁、手作りコンニャクなどなど。板井原の野菜を使ったおかずはもちろん、なんといっても釜で炊いた「かまどめし」が絶品です。おこげのご飯となめこみそ汁を、男子学生だけでなく、女子学生も何杯もおかわりしました。それに、ご主人も奥さんもとても優しい方で、お二人のお人柄がにじみ出ている手料理だと思います。もう一度足を運びたくなるお店ですね。


昼ご飯をお腹いっぱい食べ、ご主人や奥さんとお話をさせていただき、お礼を言って出発。初めて板井原集落に訪れたメンバーのために板井原集落をグルッと一回りしました。板井原集落は全国で唯一の県選定伝統的建造物群保存地区(伝建地区)で、風情ある集落なのですが、やはり空家や傷んだ民家も目につき始めています。それでも最近ようやく補助金がおりて、1棟の民家の屋根葺き替えがおこなわれたとのことです。しかし、火間土のご主人からは、「わたしらにとっては、あまり変りません」ということを伺いました。また、昨年には集落に住まわれている方が一人、亡くなられしまったとのことです。「限界集落」化している板井原の美しい景観を残すためには、「これから」ではなく「いま」動かなければと思いながらも、どうすることもできない私です。しかし、板井原集落の美しい景色や懐かしい匂い、人の温かさは「また行きたい」と思わせてくれるもので、ずっと存続し続けて欲しいと思います。

その後、喫茶店の「野土香」で一休みをしながら卒業研究のチェックをうけました。野土香さんもまた、座談会などでお世話になった場所なのですが、そんな大切な場所で、また私は先生に叱られました。自分の出来がわるいために、他のメンバーがチェックをうける時間がなくなり、チェックと忘年会の続きは先生の新居で・・・
今回、初めて板井原を訪れて、いろいろなことを考えさせられました。私が鳥取市内で住む村も住民の大半が高齢者の方で、「限界集落」の一歩手前といったような所ですが、やはり自分が育った村、風景はいつまでも残っていて欲しい。伝建地区云々ではなく、板井原集落の住人の方や、板井原集落に魅了された人たちの故郷として、いつまでも残っていて欲しいと思います。だって、私もまたいつか板井原集落に行きたいですから。(竹蔵)
- 2010/12/25(土) 01:15:39|
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