1月21日、鳥取県文化財保護審議会が開かれ、尾家住宅が県の保護文化財に答申された。昨年の河本家住宅の重文指定に続いて、ASALABの調査した民家が指定文化財になった。しかし、わたしたちはこれで満足しているわけではない。尾家住宅は「松甫園」およびその関連施設(敷地・建造物など)が国の「名勝」指定されており、建造物もまた国指定重要文化財の価値をもつのは自明のことだと考えているからである。県指定は最終目標としての国指定のプロセスとして受けとめている。
下の記事では新たに県指定となった6件の文化財をとりあげているが、尾家はシンガリの一行のみ。サキガケの「旧日の丸自動車法勝寺鉄道」は、わたしが研究所在籍時代に調査・編集した『鳥取県の近代化遺産』(1998)に含まれているものである。鉄道の車両やトンネルが文化財としてみとめられる時代になった。調査から指定まで13年。長いようで短い時間ですね。すっかり肥えてしまったけれども、気持ちの上では、まだあのころとなにも変わっていない。
尾家住宅の報告書刊行は2007年だった。法勝寺鉄道が要した時間の半分で指定を受けたことになる。繰り返すけれども、まだそれは過程でしかない。

↑日本海新聞2011年1月22日
- 2011/01/25(火) 00:39:21|
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