
昨日の日記の一番下の写真で、左端に立つ長身の男が何かを指さしているのにお気づきの方はいらっしゃったでしょうか。あれは「五臓圓ビル再生プロジェクト」パンフに掲載された五臓圓薬局のエンブレムです。五臓圓については、明後日、竹蔵が見学の感想文を公表しますが、そのプロローグとしてエンブレムのお話を少々・・・
五臓圓薬局を経営する森下家は、藩政時代から智頭街道で生薬等の商いを営んでいました。屋号を「石見屋」と言います。とくに有名な販売品は「三心五臓圓」。初代のころ、僧より伝授された滋養強壮の家伝薬だそうです。下見の日に推薦されたのは「三心五臓圓」ではなく、「大木五臓圓」でした。値段は1万2千円以上します。
4代目の森下清治が昭和6年(1931)に五臓園ビルを建設し、智頭街道だけでなく、鳥取市街地全体のランドマーク的な存在となりました。そのビルの階段に埋め込まれた鋳鉄金物のエンブレムが上の写真です。アールデコを想わせる奥ゆかしいデザインですね。「森下」の二文字に加え、「三心五臓」を図案化したもので、じつは下の写真とも関係があることをご理解いただけますでしょうか。エンブレムと天狗には相関性がある・・・

「大木五臓圓」には流石に手がでなかったのですが、それではと出されたのが上の「人参五臓圓」。同じく滋養強壮薬でして、値段は3千数百円です。しばらく逡巡したあげく、「買います」と答えると周囲にどよめきが・・・まだ必要なのかと問われますと「ノー」とは言えない、言いたくない。が、それ以上に地域振興のための寄付金だなんて、偉そうなことを思っていたりするわけです。全国各地の町並み保全地区やら山岳寺院を訪れると、わたしはできるだけ「お土産」や「お守り」を買うようにしています。

「人参五臓圓」を買ったのは下見にいった先週の水曜日。金曜の夜、研究室で開封しました。ゲル状の浅田飴をイメージしてください。学生諸君とこうして舐めたわけです。「眠れなくなるぜ、おい」なんてはしゃぎながら、卒論や修論の追い込みで疲れ切っている学生諸君はみんな滋養強壮薬に飛びついてくる。で、スプーンに水飴を絡ませ、舐めちゃいましてね・・・飴を舐めると少々甘いが、湯に溶かすとその甘さが消えて漢方っぽくなります。
いやぁ、それから大変でしたよ、ぐふふ・・・
左のエアポート君などは、修士論文を途中で放棄し、部長さんを誘って帰宅しようとするんですから、どうしようもありません。この顔みたらわかりますでしょう?
翌日午後、みんなで五臓圓ビルの修復現場を視察したんですが、その前に薬局で「三心五臓」を味見させていただきました。うぅぅぅん、やっばり値段の差だけのことはありますね。「三心五臓」のほうが「人参五臓圓」よりまろやかな味がしています。しかし、12000円だからなぁ・・・手がでないなぁ・・・弥生町で3回飲めるもんな・・・

こちらが「大木五臓圓」です。いざ、現場見学!
- 2011/02/02(水) 00:24:22|
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