
相も変わらず、下手の横好きで、料理三昧の毎日です。まったく外食しなくなって、こういう連休の日でも、大学に弁当もってきてるもんで、学生たちはきっと羨ましく思っていることでしょう。
じつは「料理のリサイクル」がテーマの一つなんです。たとえば、鰈の煮付けを作ると、煮汁が余る。その煮汁を薄めて大根とゴボテンを煮込むと抜群の煮物ができます。大根ならブリだろうと思われるかもしれませんが、ブリは油が多くて、ちょっと魚臭い。鯛のあら煮も旨いけれど、その煮汁はやっぱり魚臭いんです。冬の日本海で獲れる大きな子持ち鰈はほんとうに美味しい。世の中でこれほど美味なものはない、と思っています。白身も美味いし、子(卵)も美味い。フォアグラなんかより、ずっと鰈の子のほうが美味いとわたしは信じてます。そして、鰈の煮汁でつくる煮物は癖がなくて、こくがある。
さて、煮物を食べ尽くしても、まだスープが残ってますね。わたしは、そのスープにジャガイモを放り込みます。おいしい芋の煮っ転がしができて、スープもほぼなくなってしまう。煮付け→煮物→煮っ転がしで、すべての具材を消費できるわけです。
煮物に使う大根の残り滓は皮ですね。これがまた美味い。以前述べたように、昆布茶で浅漬けにしてもよいし、きんぴら風に炒めてもいい。浅漬けのコツは柚子ですね。柚子の皮を包丁ですって、柚子汁と一緒に大根にからませる。そのまま食べるとサラダ、1日置けば、抜群の浅漬けになってます。歯ごたえがよいですよ、大根の皮は。
蕪の甘酢漬けもつくります。白蕪でもよいけれど、赤蕪がおもしろいんです。皮の赤身が少しずつ酢に溶けてゆき、内側の白身をピンクに変えていく。皮だけ紅かった蕪の切り身の全体が艶っぽい桃色に変わっていくと、ちょうど食べ頃です。もちろん甘酢もピンク色に変わっていくのですが、蕪の水分が外にしみ出てきて薄味になっていきます。スプーンでとって飲んでみると、これが美味しい。そのまま飲んでも、黒酢ドリンクよりもまろやかで、健康飲料として売れなくもなさそうですよ。
さて、この「ピンク酢」をどうしたものか。
みなさんは林檎ジャムで苦しんだことはありませんか。
林檎のスライス(あるいは摺り下ろし)を白ワインと砂糖で煮込んでも、ジャムの色は茶色っぽくなってしまいますね。ベージュかカラメルか、どっちかの色になるのですが、茶色は林檎をイメージさせる色ではありませんよね。だから、わたしは、林檎の場合、赤ワインで煮込むことにしています(梅酒の梅も3~4個混ぜて煮ます)。結果、紫がかった紅いジャムができます。まぁまぁの色なんだけど、当然のことながら、林檎というよりも葡萄のイメージに近い。
そんなこんなで悩んでいたところ、かのダウラのスコーンについてきた林檎ジャムが、なんとも綺麗な桃色をしていて、衝撃をうけました。うぅぅぅ~ん、どうしたら、こんな色がでるのか・・・まさか着色剤なんて使ってないだろうし・・・
蕪の甘酢着けの廃材となった「ピンク酢」をみて、林檎ジャムに使ってみようと決心したんです。白ワインと甘いピンク酢で林檎スライスを煮た結果、その色は赤っぽい茶色になって、あぁぁぁ、また失敗。そのとき、林檎はジョナゴールドを使いましてね。ジャムをつくるとき、剥いた林檎の皮はいつでも熱湯で煮沸させ、アップルティにするんです。今回もジョリゴールドの皮をぐつぐつ煮込んでいった。すると、沸騰しているお湯が桃色になっていきました。一晩おいた状態が前ページトップの写真です。甘くておいしいジュースになっている。
あっ、これか。ジョナゴールドのスライスを皮と一緒に煮込めば、桃色に染まるのではないか。皮に付着した実は桃色になっています。白ワインを混ぜると変色するかもしれないけれど、試してみるだけの価値はあると思った次第です。また、失敗するかもしれないけれど、いずれ挑戦しますので。
- 2011/02/13(日) 00:00:01|
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