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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

未来ある大学院修了生へむけて

講堂


 大講堂で挙行された卒業・修了式のあと、学科・領域に分かれての卒業・修了証授与式で、大学院修了生に対する祝辞を述べました。その祝辞は原稿を読み上げたものではなく、ほとんど即興でスピーチしたものです。ここに微細ながら加筆修正を施し、掲載しておきます。

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 大学院修了生のみなさん、おめでとうございます。また、ご父兄の皆様、おめでとうございます。
 本学は平成24年度に「公立化」する予定です。公立の大学法人として生まれ変わるということです。なぜ「公立化」するのかといえば、それは本学が学生数の減少に苦悩し、私立大学のままでは立ちゆかなくなったからです。偏見をもっていただきたくないので、あえて申し上げておきますが、こういう学生数の減少は、ひとり鳥取環境大学だけが抱え込んできた問題ではなく、地方の私立大学はみな同じ問題に苦慮しております。
 2年前、みなさんが大学院に進学したとき、大学はその苦悩のまっただなかにいました。悪意に満ちたマスコミ報道が続き、世評も芳しいものではありません。そんななかで、きみたちは敢えて本学の大学院を選択し、進学してくれた。このことに、わたしたち教員はとても勇気づけられました。くりかえし感謝したいと思います。
 その2年前、年度当初の挨拶で、わたしは君たちに以下のようなお願いをしました。大学院という場所は居心地がよい。居心地がよいから、気楽に過ごしてしまえば「ぬるま湯」に浸って、のんべんだらりとした生活に陥りかねない。そうなってはいけない。そうならないために、どうすればよいのか。まずは、学部と大学院のちがいを考えてもらいたい。学部というのは、一方向性に特徴がある。なんやかや言っても、教師から学生への知識の伝達・教授が、全教育の7割以上を占めるだろう。教員は教え、学生は学ぶ。それが学部です。それでは、大学院はどうなのか。君たちの同級生は社会に出て働いている。だから、君たちも社会人と同じような位置にあると言ってよいわけです。その点において、大学院生は教員とほぼ同等の存在だとわたしは思っています。一方から他方が学ぶのではなく、相互に教えあい、学びあう。言い方を換えるならば、大学院生は教員のことをライバルだと思ってほしい。そういう気概をもって、勉学に励んでほしい。と、お願いしたのが昨日のことのように蘇ります。

 君たちは、ほんとうによく頑張って、素晴らしい修士研究を仕上げてくれました。わたし自身、ときに「そんなに仕事をされたらついていけない」という愚痴をこぼすほど、君たちは獅子奮迅の活躍をしてくれました。ほんとうにありがとう。感謝の念にたえません。
 残念だったのは、この2年で日本の経済が極度の不振に陥り、雇用が悪化してしまったことです。以前ならば、そう苦労しなくても就職先が決まったのに、いま内定をもらうのは容易なことではありません。そんななかで、2名の修了生が鳥取市の建築課に専門職として採用されることになりました。さきほど祝辞を述べられた鳥取市長とも壇上でお話ししたのですが、市長も大変喜んでおられるし、本学としても、本学科としてもまことに喜ばしいことだと思っています。公立化を前にして、大学が立地する地方自治体に修了生が旅だっていく。こんなに誇らしいことはありません。
 修了生のみなさんは、大学院を今日で卒業するわけですが、まだ若い。おおいなる前途が、未来があります。
 社会にでると、自分の思うように事が運ばないことに悩んだり、いらつきを覚えたりするでしょう。でも、まだ未来はながい。あせらず騒がず、じっくりと新しい仕事に取り組んでください。
 以上、長々となりましたが、これをもって祝辞のご挨拶とさせていただきます。
 本当にありがとう。そして、おめでとうございます。


imajo

okagaki

  1. 2011/03/22(火) 23:14:59|
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