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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

マクタン通信(Ⅷ)

61ギター03バンドリア03オクタビア


バンドリア と ラウド

 マクタン島最後の夕べにアレグレ・ギター・ファクトリーを再訪し、一も二もなく事情を説明した。
 昨夜、ホテルのレストランでバンド演奏を聴いたのだが、小型の12弦ギターに大変興味をもったので、一昨日買ったギターと買い換えたい。そう訴えると、店員は12弦は1台しかない、と言って、オベイション・タイプの12弦ギターをもってきた。普通の12弦だった。いや、違うんだ・・・こんなに大きくなくて、形もひょうたんのようで、13年前に3000ペソで買ったって言ってたんだけど・・・
 そんな楽器はない、という困った顔しながら、しばらく考えたあげく、

  「それは、ラウドかオクタヴィーナじゃないのかな?」

と若い店員は自分の推測を口にした。

 2日前の訪問時に「マンドリンもどき」と表現した弦楽器の正式名称はバンドリア(BANDURRIA)という。マンドリンのようにもみえるが、弦が多くて、チューニングも異なる。マンドリンは4コースの8弦(同音2弦×4)で、チューニングは上からGDAE。一方、バンドリアは6コースの14弦で、弦の配列はやっかいきわまりない。下の3コースが同音3弦、4~5コースが倍音2弦、 6コースが単弦となっている。いちばん上を単弦とする発想はよくわかる。ルート音を低く固定したいのだろう。



61ギター03バンドリア02全員
↑左からBANDURRIA(小) OCTAVINA(大) LAUD(中)。右端がオーナー兼ギタリストのフェルナンド・ビボット・アレグレさんです。


61ギター03バンドリア01


 試奏時の記憶を辿ると、チューニングは(たぶん)上からGBEADG。この楽器を大きくしたのがラウドとオクタヴィーナで、 いちばん大きいオクタヴィーナは1オクターブ低い調弦であろうと推測され、中間のラウドは(たぶん)オクタヴィーナのカポ5状態でCEADGCチューニングになるのであろう。この3つの楽器の関係は、サキソフォンで言えば、バリトン、テナー、アルト、ソプラノなどの関係と同じである。指使いは変わらないが、キーが違うということ。
 形状からみる限り、ホテルで聴いたバンドの使う12弦ギターに最も近いのはラウドだ。店員もそのことに気づいて、「昨夜みたものはラウドか、その改造ギターだろう」と主張する。ただ、写真を見返しても、バンドリーダーのもつギターはフレットが12個しかない。小型の12弦ギターは本当に存在しないのか??
 どういうわけか、バンドリアの値段はぐ~んと高く、サイズの大きなラウドとオクタヴィーナはその半額だった。店員は、バンドリア1台とラウド1台の計2台を購入することを強く薦めた。それで、2日前に購入したギターとほぼ同額になるというのだ。ただ、不安が頭をよぎる。ギターともマンドリンとも異なるチューニングの楽器を2台も買って帰って、はたして使いこなせるだろうか。また、帰国日の荷物の搬送もやっかいになる。

61ギター0412弦  悩みに悩んで、結局、オベイション・タイプの普通の12弦ギターを購入した。2日前に買った6弦ギターよりも1万ペソ高かったけれども、作りがしっかりしているし、チューニングがスタンダードでいけるというのが気楽でしたね。ともかく1度、2名以上のバンド演奏で、12弦ギターをリード役で使ってみたい。そういう気持ちが、6弦から12弦への買い替えを強く後押ししたのは間違いありません。





バンドリアなどの一連の14弦楽器がスペイン起源のものであろうことは容易に想像されますが、スペイン音楽の映像のなかに探し出すことはできませんでした。上はブラジルのショーロを演奏する日本のバンドです。リードをとっている右端の楽器がバンドリアではないかと思うのですが、ご存じの方はご教示ください。

  1. 2011/04/10(日) 00:04:42|
  2. 音楽|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:2
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コメント

irish bouzouki

 断言はできないのですが、choro clubの右端の方が惹いているのは、bouzoukiではないでしょうか。
 Fylde guitarのブズーキのページのリンクを張っておきます
 http://www.fyldeguitars.com/bouzoukis.html
  1. 2011/04/10(日) 12:42:24 |
  2. URL |
  3. mifu #qbIq4rIg
  4. [ 編集]

bandolim

いつもコメント、ありがとうございます。
いまウィキペディアをみただけなんですが、ショーロの弦楽器は「ギター+カヴァキーニョ(ウクレレと同起源の小型4弦弦楽器)+バンドリン」のトリオが基本のようです。バンドリン(Bandolim)はスペイン・ポルトガル起源の4コース8弦の複弦楽器で、上の映像にみるものであろうと思われます。ブーズキという楽器ははじめて知りましたが、ネット情報によれば、ギリシア起源の4コース8弦で元の形は古代日本の琵琶に近いですね。ケルトに入って「アイリッシュ・ブーズキ」となるわけですが、やはり形状は琵琶のような細長いものです。ショーロで使っているのはバンドリン(Bandolim)で、わたしがフィリピンでみたバンドリアはその派生系の楽器かもしれません。
 いやぁ、弦楽器、おもしろいですねぇ・・・・!
 4月29日に六弦倶楽部が開催されるそうですね。行けると信じて行動します。お目にかかれるのを楽しみにしておりまっす!!
  1. 2011/04/10(日) 15:23:08 |
  2. URL |
  3. asax #90N4AH2A
  4. [ 編集]

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