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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

新潟からの訪問者

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 新年度が始まって、屋台骨として研究室を支えてきたエアポート&部長コンビをはじめ、苦楽を共にしたゼミのメンバーがいっせいに卒業し、演習室はついこの間までの喧騒がうそのように静まり返っています。6年前、彼らと同じようにこの研究室を旅立ったのが先日の事のように思い返されるところですが、そんな過去を振り返っている暇はございません! 今年度は、すでに3大プロジェクトが動き始めており、これまでにも増して気を引き締めている次第です。さて、先月のことになりますが、とある修士学生から浅川研究室に一通のメールが届きました。内容は以下のとおり・・・(一部省略)。

  新潟大学修士学生のIと申します。私の所属する研究室では、主に新潟県内の
  町並みなどに関する調査研究を進めており、 県内有数の町並みの残る小須戸
  地域の取り組みにも関わっております。この小須戸地域では、昨年7月に大規
  模な火災が発生し、 町屋8棟を含む21棟が全半焼する被害を受けました。
  現在は、火災からの復興が大きな課題となっております。そこで、今後に
  向けて倉吉での復興の取り組みを参考とさせていただけないかと考え、連絡
  させていただいた次第です。「倉吉再興 -倉吉重伝建地区火災町屋群の
  復興計画」の報告書に余部がございましたら、ご送付いただくことは可能で
  しょうか・・・

 「倉吉再興・・・」は、平成15年に重伝建地区倉吉で発生した火災により全焼した2棟の町家について復興計画案に取り組み、報告書として発行されたものです。この研究に当時学部3年だったヤンマーと共に取り組んだのが私でして、先のメールをいただいたものですから私が対応することに。もちろん、報告書はすぐに郵送させていただきました。するとそこからトントン拍子に話が進み、彼のほうから倉吉を訪問したいとの申し出があったものですから、つい先日ご案内した次第です。



↑これ、凄く良いですね!


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 当日は倉吉駅で待ち合わせ、伝建地区へ。Iさんは礼儀正しく純朴な印象の好青年で私と同じ修士2年生(年齢は違いますが)。自身の故郷である新潟市「小須戸」の町並みをフィールドとして調査研究をしています。いただいたパンフレットによると、小須戸は越後平野の中央部に位置する、信濃川舟運で栄えた在郷町で、その町並みは雁木を備えた妻入町家が並びます。今回の火災は町おこしの足がかりとして期待されていた伝統的な町並みに打撃を与えるとともに、彼にとっても衝撃的なものだったでしょう。
 ここ倉吉も前述のとおり被災により一部の町家が焼失しています。しかし、重伝建地区であったこともあり、わずか3年という短期間で復興を成し遂げました。小須戸でも、今回の火災をきっかけに町並み保全に対する気運が高まりつつあるようで、復興計画に倉吉でのケースが参考になればと願っています。
 I君は重伝建地区に着くや、火災のあった場所でカメラを片手にあっちでパシャリこっちでパシャリと行ったり来たり・・・まるで自分の分身を見ているようで可笑しくなりましたね。その後は蔵を改装したカフェ「サダルチョーク」で昼食をとり、浅川研の調査フィールドをご案内。お互いのゼミの事や町並み調査の方法、地元のことなどを話しながら日が落ちるまで散策しました。
 小須戸も他の歴史的市街地の例外にもれず空洞化や過疎化等の課題を抱えているそうで、火災により町並みの価値が見直されてきたものの、地元住民の意識は高いとはいえない現状があるそうです。これは、私が現在調査をしている平田とは異なるところで、平田は木綿街道振興会が組織され、地元住民を中心として補助事業の活用やイベントの開催などがなされています。平田のような土台がない中での調査研究は困難なものとなるかもしれませんが、まずはこれまでの調査成果を、住民に対して発表することで小須戸の歴史的・文化財的価値を認識してもらう事が重要だろうと伝えました。これは、先日のワークショップでの実体験からですが・・・
 彼はその後、丹波笹山、美山、倉敷を訪れたそうです。帰省してから連絡があり、「倉吉を訪れて、お気に入りのまちが一つ増えました」とのこと。さらに、住民に対して調査発表会を開く事がきまったそうです。そのフットワークもさることながら、実行力・行動力には大変刺激を受けました。今後も連絡を取り合い、お互いに切磋琢磨していければと思います。今回は都合が会いませんでしたが、今度は是非、平田の「木綿街道」も案内したいですね!(タクオ)



↑前頁マリンバ演奏の元曲です。良いですねぇ、これも・・・ヨークの作曲力に脱帽。

  1. 2011/04/20(水) 00:02:02|
  2. 研究室|
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