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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

There will never be another you




 「建築の保存と修復」という選択科目で、英文のテキストを使っています。毎年のオリエンテーションで「英語のテキストを使うことに対する感想」を自由に書いてもらうのですが、今年度の学生は例年に比べてはるかに拒否反応が大きいので、生まれて初めて「英語を大の苦手としている学生は受講しないほうがよいかもしれません」というアドバイスのメールを流したところ、2回目の講義では却って受講者が増えてました。
 わたし自身、英語が得意なわけじゃありません。旅することを生き甲斐にしているもんで、英語と中国語で日常会話できる程度のレベルではあるわけです。そういういい加減な教師ですが、ではさっそく音楽を題材にレッスンしてみましょう。
 ご存じの方も多いでしょうが、ジャズのスタンダードに、

   There will never be another you

という曲があります。1940年代前半に書かれた映画の主題曲。これをどう訳すべきでしょうか。直訳するならば、「もう一人のあなたなんて決してあらわれないでしょう」でいいのかな・・・日本のレコード会社は、これを「あなたなしでは」と意訳して、売り出しました。「あなたなしでは」を逆に英訳すると without you になっちゃいますね。「あなた以外の人はいない」というわけだから There will never be another you は、「あなただけ」のほうが近い日本語のように思うんですが・・・つまり、

   Only you

でもよいだろうと思うわけです。そして、「オンリー・ユー」をタイトルにする曲は少なくありません。わたしたちの世代における「オンリー・ユー」と言えばプラターズでして、それをいちばん上に貼りつけました。Only you と同じ意味で、ちょっと気障な表現になるのが、

   Nobody but you

ですね。






 「ノバディ・バチュー」もしばしば曲題になっています。この場合の but は接続詞ではなくて、「that~not~」を意味する否定の関係代名詞だと高校時代に習いました。except とほぼ同義ですね。わたしがいちばん馴染み深いのは、ジェイムズ・テイラーの曲ですが、ベルベット・アンダーグラウンドにも同名異曲があるようです。
 個人的な感想を述べるならば、There will never be another you がいちばんかっこいい。じつは、この曲、ものすごくカバーが多いんですね。まずはレスター・ヤングからいきましょうか。伴奏はオスカー・ピータソン・トリオです。レスター・ヤングは最近また車中でよく聴いています。この演奏を聴けば、元のメロディがよく分かるでしょう。
 次はピアノとギターのボサノバ・デュオ(↑)。2度目の登場です。こういうミュージシャンはクラシックがベースにあり、そのあとにジャズやボサノバに入っていく一群でして、まぁ、綺麗に仕上げるもんです。

 最後は、ジプシー・スィング・ギターの早弾き大会(↓)。さぁ、これをみなさんがどう思うか、です。あえて私の意見は述べません。
 弦が切れるシーンが終わりのほうにでてきます。4月5日「入学式」の記事に貼りつけたパラシュートの演奏「Agatha」でも今剛の弦が切れます。プロは対応がじつにクールですね。両者とも、弦が切れやすい演奏をしているのはまちがいないんですが、この2つの曲の指向するところはまったく違う。まったく別のほうを向いてます。わたしは、意外かもしれませんが、パラシュートのほうが好きなんです。

 今夜もまた、ネタのないアドリブでした。おやすみなさい。





  1. 2011/04/25(月) 00:06:03|
  2. 音楽|
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