という曲があります。1940年代前半に書かれた映画の主題曲。これをどう訳すべきでしょうか。直訳するならば、「もう一人のあなたなんて決してあらわれないでしょう」でいいのかな・・・日本のレコード会社は、これを「あなたなしでは」と意訳して、売り出しました。「あなたなしでは」を逆に英訳すると without you になっちゃいますね。「あなた以外の人はいない」というわけだから There will never be another you は、「あなただけ」のほうが近い日本語のように思うんですが・・・つまり、
Only you
でもよいだろうと思うわけです。そして、「オンリー・ユー」をタイトルにする曲は少なくありません。わたしたちの世代における「オンリー・ユー」と言えばプラターズでして、それをいちばん上に貼りつけました。Only you と同じ意味で、ちょっと気障な表現になるのが、
Nobody but you
ですね。
「ノバディ・バチュー」もしばしば曲題になっています。この場合の but は接続詞ではなくて、「that~not~」を意味する否定の関係代名詞だと高校時代に習いました。except とほぼ同義ですね。わたしがいちばん馴染み深いのは、ジェイムズ・テイラーの曲ですが、ベルベット・アンダーグラウンドにも同名異曲があるようです。 個人的な感想を述べるならば、There will never be another you がいちばんかっこいい。じつは、この曲、ものすごくカバーが多いんですね。まずはレスター・ヤングからいきましょうか。伴奏はオスカー・ピータソン・トリオです。レスター・ヤングは最近また車中でよく聴いています。この演奏を聴けば、元のメロディがよく分かるでしょう。 次はピアノとギターのボサノバ・デュオ(↑)。2度目の登場です。こういうミュージシャンはクラシックがベースにあり、そのあとにジャズやボサノバに入っていく一群でして、まぁ、綺麗に仕上げるもんです。