
腎臓透析患者にふさわしい「医食同源」の食品開発をめざしている田園クリニックのオーナー、Oさんは昨年から低タンパク米の栽培をはじめ、今年も低タンパク米の田植えを5月28日にマスコミ公開でおこないました。雨のなか、午前10時ごろから米沢農園所有の水田2ヵ所で田植えが実施され、昨年の田植えから収穫まで取材された新聞社の記者さんも来られていました。
低タンパク米は、タンパク質の体内消化を普通米の半分以下に抑えています。食事制限を要する患者用に開発され、食事コントロールに適しています。昨年収穫されたのは、酒米から開発された「春陽」という品種です。今年はさらに「中国204」という品種の試験栽培も県農林部技術員の指導のもとに始まりました。「中国204」は農研機構・近畿中国四国農業研究センターの福山センターで開発され、もち米から開発された「LGCソフト」の食味等に更に改善を加え開発したもので、淡白な食味の「春陽」と、餅っぽい「LGCソフト」とがブレンドされたブランド米の期待は大きくなるばかりです。
昨年は「春陽」を25アールで約1000キロを収穫し、今年は「中国204」も25アール作付けされました。今秋の収穫後は、連携している中嶋米穀から「さとに田園クリニック」と「さとに医食同源」に提供されるそうです。まだ試験段階ではありますが、今後欲しい人に低タンパク米を販売していく予定だとのことです。
悪天候のなかの田植えでしたが、順調に成長していき、里仁の透析患者に提供されて治療に役立ってほしいと思いました。(環境政策経営学科1年 河鹿)


日本海新聞2011年5月29日
- 2011/06/12(日) 00:24:46|
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