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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

2011ヴェルトマイスターシャフト(Ⅲ)

 先発の入れ替えがまったくない、と聞いて嫌な予感がした。

 日本は、ニュージーランド戦に戻ったように動きがわるかった。トライアングルがつくれないし、トラップのミスが多すぎた。なにより運動量が足りない。
 1週間で3試合。先発陣の疲労はピークに達している。控え選手たちのレベルは決して低くないのだから、数名入れ替えて試合に臨んでいれば、結果は変わったものになっていたかもしれない。かりに結果が同じであったとしても、「あれは主力を休ませたからね」とエクスキューズできる。決勝トーナメントで対戦する相手は、メキシコ戦の日本が脳裏に焼き付いているだろうから、ベストメンバーの「なでしこ」は手強いというイメージを持ち続けただろう。しかし、今となっては・・・

 イングランドの2点は、いずれもループシュートだった。やはり強豪の監督は、日本の弱点を見抜いている。初戦のニュージーランド戦をみて、日本に穴があるとすれば、GKとLSBの守備力だと直感した。そして、北京五輪の準決勝、アメリカ戦の悪夢が頭をよぎった。

 2008年8月19日、東北行脚の旅中に以下のような戦評を書いている。

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後半のアメリカの戦法は徹底したロビング攻撃だった。アメリカは走力だけでなく、高さでも日本を圧倒している。だから、日本ゴール前にボールを放り込めばいつかは点になる。そう考えたのだろう。適当な位置から緩やかに放物線を描くロビングを何本もあげてきた。制空権はあきらかにアメリカにある。しかも、GKの福島は前がかりになっており、アメリカはロビングでゴールまで狙ってきた。それが後半の2点になった。TV解説の堀池は、「シュートを狙ったんじゃないでしょうが」と述べていたが、わたしは2本ともクロスではなく、ゴールに向けたロビングシュートだと思ってみていた。4-1になった後、さらにもう一度同じようなロビングシュートがみられたからである。これはおそらくアメリカベンチの指示だろう。ディフェンス・ラインとGKの間にロビングでクロスをあげれば、日本の守備陣は混乱するし、ゴールキーパーの上を抜くロビングシュートが点になる可能性があるから打てという指示があったに違いない。
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 イングランドの戦法も似たようなものだった。4バックラインとGKの間のスペース、そしてGKの後のスペースをまたしてもロビング(ループ)で狙われた、ということである。


 佐々木監督の采配にも疑問が残った。少なくとも、後半のはじめから2トップを入れ替えるべきだったのではないか。前線で球がおさまらないのはだれの目にみてもあきらかであり、早い段階での岩淵投入を期待していたが、ジョーカーの投入は遅きに失した。また、不振の永里を最後までベンチに下げなかった。
 もう一つ気になったのは、坂口の交替である。坂口を下げて、澤の1ボランチにしたのは間違いだと思う。坂口を残して中盤の守備を任せ、澤を1列前にあげるか、思い切って澤をベンチに下げるかのどちらかを選択すべきであった。名前だけで選手を使うのはよくない。ベテランの澤には休養が必要であり、不振の永里には「不振である」ことを自覚させなければならない。

 準々決勝の相手は、開催国ドイツに決まった。ドイツの監督はフランス戦でプリンツをはずした。その結果、本来のサッカーがよみがえり、4-2の圧勝である。日本と似たパスワークを得意とするフランスを囲い込みディフェンスで機能させなかった。おそらく日本は「自分たちのサッカー」をさせてもらえないだろう。






  1. 2011/07/07(木) 00:00:56|
  2. サッカー|
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