バジルバーグの占い 決勝の始まる1時間前に帰宅して夕飯の準備を始めた。薬膳料理大会の余材が冷蔵庫にある。豚ミンチが1パック残っていたので、茴香の代わりにバジルを使って、バジルバーグを作ることにした。今夜もフライパンとタジン鍋の両方でバーグを焼いたのだが、突然、強烈な爆音が響く。付け合わせのトウガラシが破裂したのだ。驚いたわたしは、タジン鍋の蓋に手をやったのだが、油ですべって蓋は床に転げ落ち、まっぷたつに割れた。うぅぅん、縁起が良いではないの。不吉は吉兆でもある・・・バジルバーグも焼き上がり、さてワインを飲みながら、バーグをつまもうと、グラスを手にした。今度はグラスがすべって床のマットを血の海に変えた。ますます縁起がよいではないか。
前半のアメリカの迫力は凄まじかった。プレスが強く、縦に速いのは予想されたことだが、パスワークさえも「なでしこ」を凌駕していた。「なでしこ」は運動量が足りない。トライアングルが作れず、パスはつながらず、相手のプレスにボールを奪われるという悪循環に陥っていた。そもそも、体格がちがう。男子チームと女子チーム、あるいは大人のチームと少年チームが試合しているようなものである。運気の流れが、ほんのわずかでもずれていたならば、日本は前半を0-3で折り返すことになっていただろう。その前半を0-0で終えたことが勝利の遠因となった。決めるべきときに決めないと、こういう結果が待っている。アメリカチームの多くの選手は、ハーフタイムにそう予感していたかもしれない。
このインタビュー、いいじゃないですか。
後半、アメリカはモーガンという若いFWを投入してきた。麗しい選手でしたね。アメリカと言えば、GKのソラが有名ですが、同じイタリア系のモーガンは空の上を行くレベルで、またしてもマリサ・トメイを思い起こしながら、画面を凝視していた。モーガンは元陸上選手。長いポニーテールを風になびかせて走りまわると、日本選手はついていけない。1得点1アシストの大活躍だったから、決勝でアメリカが勝っていたならば、ウーマン・オブ・ザ・マッチに選ばれていただろう。表彰式での悔しそうな後姿が目に焼き付いている。今後、モーガンが日本代表に立ちはだかるのは間違いない。
さてさて、日本の2ゴールには驚かされた。宮間のゴールは執念、澤のゴールは奇跡と呼ぶべきものだ。澤は、いわゆるアーセナル・ゴールを頭ではなく、右足かかと付近のアウトサイド・ボレーで決めてみせた。こんな離れ技、100回やって1~2回しか成功しない。空のゴールが相手ではなく、敵のディフェンスもキーパーもいるんだからね。延長終了3分前に奇跡がおきたのだ。
ここで、この1年を振りかえると、日本は国際大会を連続4回制したことになる。アジア大会(北京)の男・女、アジアカップ(ドーハ)男子、そしてワールドカップ(ドイツ)女子。この成果は「育成」のたまものですね。バルセロナやアヤックスが強いのは育成のシステムがしっかりしているからであり、日本もそういう教育の体系を整えつつあるということだろう。
真反対のできことが同日のコパでおきた。決勝トーナメント1回戦で、ブラジル、アルゼンチンの2大国が早くも姿を消したのだ。スター選手を揃えた混成チームでは、組織的に訓練されたチームに通用しない。そういう時代になってきた、ということだ。今回のコパならば、日本男子代表が優勝することも不可能ではなかったろう。
なにはともあれ、「なでしこ」のみなさん、おめでとうございます!
世界一なんだ。サッカーのワールドチャンピオンに日本がなったんだ!!
その「なでしこ」の画面の裏側に被災地を思い浮かべる人も多かったでしょう。
ありがとう!!
- 2011/07/18(月) 17:55:56|
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