年初の初仕事。京都の株式会社「さんけい」で、出雲大社境内遺跡出土大型本殿の復元模型(1/50)の最終検収に立ち会った。いや、苦労しましたね。なんども、なんども、設計変更をして、ようやくここまで辿りついた。CAD&CGの王者キム・ドク(別名タイガー戸口)がいたからこそなしえた仕事です。

昨秋のシンポジウム直後、すでに茅葺き屋根の大半が完成していたにも拘わらず、檜皮葺きへの変更をお願いして、「さんけい」さんを困らせた。島根県古代文化センターの錦田さんと丹青社の榛沢さんには、こころよく変更に応じてくださり、感謝の念にたえません。

拙著『出雲大社』に記したように、古代~中世の大社本殿は「天皇の御舎(みあらか)のごとく」、丹塗りで檜皮葺きであることを重要な要素とした。それは内裏の建築を意識したものだったからであろう。ひとつだけ心残りだったのは、飾り金物を金箔にしたこと。『延享造営傳』によると、金物には「煮黒目」の塗装を施していた。時代は遡るが、黒のほうが渋くて良かったのではないか、と今は思っている。

細部です。


- 2006/01/06(金) 17:31:55|
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