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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

茴香余話

02茴香02


最後の茴香

 ついにウイキョウ(茴香=フェンネル)の株を引く抜くときが来た。葉は落ち、花は枯れている。それでも、なにかに使いたかったぼくは、鯖の姿焼きの腹に茴香の茎を詰めこんだ。以前、フランス田舎料理のテレビ番組を視ていて、フェンネルを魚腹に詰め込むシーンがあったので、それを再現したかった。じつは一月ばかり前、バジルを葉っぱのついた茎のまま鯖腹に詰めた。とてもよい香りがして、息子には「イタリア料理やん!?」と誉められた。たしかにバジルには、イタリアのイメージがつきまとう。さて、茴香ではどうか。
 結果を述べると、なんの匂いもしなかった。やはり茎では駄目だ。乾燥していてもよいから、葉っぱでないと、あの薬もどきの強烈な香りはしない。しかし、鯖の姿焼きは美味いね。猫も大喜びさ。

02茴香03鯖
↓中央が抜く直前の茴香、左端が鬼灯。
02茴香01


食べる鬼灯(ホオズキ)

 茴香の隣のプランターには「ほおづき」を植えている(↑)・・・と書いて、漢字名称を調べようと、ネットで検索したところ、まず「もしかして: ほおずき」ときた。「ほおづき」ではなくて、「ほおずき」が正しい綴りなのだ。その漢字は、「鬼灯」もしくは「酸漿」である。「鬼灯」は仏教習俗と関連している。ほおずきの実のガクが提灯のような形をしており、盆の送り迎えにお供えするところから来ているのであろう。


20110619013602a10ほおずき


 「酸漿」は薬学的な呼称である。ほおずきの根が堕胎薬として重宝されていたことはよく知られていよう。大量のヒストニンを含むからという。実も食べるものではない、と子どものころに教えられ、もっぱら風船のようにふくらませて喜んでいた。ウィキペディアは、「果実を鳴らして遊ぶ子どもたちの頬の様子から『頬突き』と呼ばれるようになった」という語源説を有力視しているが、だったら「ほおづき」でなきゃおかしいんじゃないかな。「ほお【ず】き」でなきゃいけない理由がよくわからない。
 さて、今春のガーデニング熱盛んなりしころ、「食べられるほおずき」があると薦められ、その日のうちに買って帰って植えたところ、よく育ち、可愛らしい黄花を咲かせた(↑)。この写真は、すでにどこかの記事に載せたはずだ・・・ちょっと探してみよう・・・あった、あった、みつかりました。父の日にアップした「さよなが言えなくて(Ⅱ)」のデコレーションに使ってますね。チェット・アトキンスの表題曲をあげて、自ら和訳したおかげで、結構アクセスをいただいた記事です。可愛らしい花でしょう。
 下が一段進んだ状態です。緑のガクが実を隠している。このガクが枯れてくれば、実も食べごろです。普通のほおずきのようにガクは赤くならなくて、ここから枯れていくのです。実は橙色。抑制の効いた麗しい口紅の色。これがね、上品な味がするのです。なんていうかな、クレソンのような気位のある味。フルーツトマトよりもひとまわり高級な味だな、あれは・・・初恋の味じゃなくて、もっと成熟した大人の恋の味だぁ・・・ぐふふ

03ほおづき01






  1. 2011/10/03(月) 00:43:40|
  2. 食文化|
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