
10月1日(土)、刷り上がりたての報告書『はるかなまち、その未来』を30部ほど携えて、倉吉へ。年次定例の「鳥取県内建築系教育関係者交流会」が倉吉で開催されるのです。本会は、鳥取県内で建築系の学部や学科のある教育機関(鳥取短期大学、米子高専、鳥取工業高校、鳥取環境大学)と建築学会鳥取支所および建築士会を対象に、毎年各機関もちまわりで開催されます。
9回目となる今年は鳥取短期大学(倉吉市)が担当でして、倉吉での開催となったわけです。今回のテーマは「地域の伝統的建築遺産のへの取り組みについて」。各校がそれぞれの取り組みを紹介し、意見交換を交わすことで情報の共有をはかることを目的としています。このテーマで、会場が倉吉・・・とあっては浅川研究室の取り組みを紹介しないわけにはいきません。もちろん内容は『はるかなまち、その未来』を中心とした倉吉での調査研究活動についてです。ただただ、教授はこの日、予定があわず出席することができなかったので、急きょ私が代役として研究成果報告をさせていただきました。
交流会には20名ほどの教育関係者・建築家の方々が出席され、やや緊張・・・しましたが、資料として配布した報告書に則しての発表でしたのでなんとか無難に報告ができたと思っております。また、現在実施している雲州平田「木綿街道」の町並み調査のほか、鳥取市里仁の古民家再生プロジェクト「医食同源」や、青谷上寺地遺跡出土部材によるマキムク復元プロジェクトなど、地域の文化財に根ざした研究活動についても紹介。ひとまず代役を務めきれたでしょうか・・・
他校の報告では、伝建群の活性化策として学生によるカフェの提案(鳥短大)や米子市公会堂の保存活動(米子高専)など、それぞれの地域をフィールドとした活動が紹介されました。こういった取り組みは、やはり継続しておこなわれるべきですね。

ところでこの報告会、交流会「第1部」という位置づけで午前中におこなわれたものでして、午後からは第2部として「日仏景観会議」も開催されました。そのことも少し紹介しておきます。
日仏景観会議は日本各地域の人々が,景観を表象とする自分たちの環境を保全・向上する方策を考えるため,フランスの専門家を招いて開くもの(HPより)で、NPO法人「日仏景観会議」がアドバイザとなって運営されます。1999年から毎年おこなわれており、倉吉では2002年につづき2回目の開催だそうです
会議ではフランスの建築家や、町並み保存の専門家の方々がゲストとして招かれ、聴講者は50人を超えていたでしょうか?基調講演ではフランスのある歴史的市街地を取り上げ、歴史地域保存の制度(マルロー法)と都市計画事業(OPAH)による都市再生について話がありました。マルロー法というのは、日本における「伝建制度」に近い位置づけになると思うのですが、まちの活性化にかかわる都市計画事業の存在も紹介され、海外における町並み保全手法を垣間見ることができ、充実した講演会となりました。
余談ですが、この日はヒノッキーも景観会議に出席。青木復元プロジェクトで忙しい中、自ら志願しての参加ということで、興味深く聴講していました。同じゼミ生として頼もしい限りですね!(タクヲ)
- 2011/10/07(金) 01:33:07|
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