3年生の女子に、田園町住宅の改修をデザイン演習の課題として出している。先のコンペは新築案で、今回はリフォーム案である。前回と今回で施主の心情変化があったとすれば、永平寺訪問を契機とする禅への興味であり、それはタイの仏寺紀行でも続いていて、とうとう田園町住宅の出窓に「仏龕(ぶつがん)」を作らしめる結果を招いた。デザイン演習に従事する学生諸君に対しても、リフォーム住宅に仏龕を作ってほしいとの依頼を発したところである。


昨夕、奈良の自宅に帰ってきた。じつは、タイで小さな仏像をもう1体買っていて、奈良に残しておいた。その仏像は田園町とおなじスコータイ様式のもので、スケールもほとんど変わらない。ただし、田園町はブロンズの贋物、奈良はさらに安物の木彫である。こういうインチキの木彫仏像ではあるが、それでもなお、座禅する姿は凛として美しく、表情は穏やかで、みる人を安らかにする。というわけで、今日は奈良のリビングルームに仏壇をこしらえた。鐘や木魚など、小道具が足らないけれども、まぁ、ぼちぼち揃えよう。
- 2006/01/14(土) 21:03:58|
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