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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

栃本廃寺冠雪

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 今年、ぼくたちはウルムチで初雪を経験した。江南庭園のようにデザインされた人民公園を覆う雪景と、スケート場のような路面の記憶はいまも生々しい・・・
 9日(金)は鳥取で初冠雪。積雪を実感したのは山間部の人たちである。1週間後に迫ったシンポジウムの準備のため、ゼミ生全員で国史跡「栃本廃寺跡」を視察することに決めていたのだが、3年生は3限(13:00~14:30)に授業があったので、今回は外れてもらうことにした。日の暮れが早い。つるべ落としで、突然あたりが暗くなり、まともな写真が撮れなくなってしまうのである。
 出発前、ヒノッキーからメールあり。「大学のあたりで霙(みぞれ)や霰(あられ)が降っていますが、本当に行きますか?」という確認のメール。取り急ぎ、市の担当者に電話したところ、「栃本に積雪はあるが、スタッドレスなら大丈夫」というアドバイスをいただいた。2日前、わたしはタイヤをスタッドレスに替えていた。もちろん、出かけるしかない。

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 国府町を上流に向かって車を走らせ、殿ダム(↑)から拾石(じっこく)トンネルを抜けると、風景は一変した。霙交じりの雨から雪に変わり、あたり一面、すでに薄く雪が積もっている。まもなく栃本廃寺跡の駐車場に到着した。今年体験する2度目の雪だが、ウルムチとは様子がちがった。雪は湿っぽく、重い。零下7℃のウルムチは凍てっていた。カラカラのスケートリンクのような路面を恐るおそる歩いたのだが、栃本ではベタベタの雪が足に絡みつく。登山靴を履いてきたのは大正解。防水機能は万全だ。
 こうして準備万端のはずだったのに、わたしには厄災が待っていた。整備工事が完全に終わっていなかったのである。駐車場から遺跡にわたる橋を歩こうと、足を踏み出した瞬間、すってんころりんのバックドロップ! 痛かった。滑った足あとには、コンパネが露出している。工事用の通路ではないか。痛かったのは体だけではない。転倒後、デジカメが動かなくなってしまったのである。調子の悪いデジカメではあったが、それでも写真は撮れていた。転倒後、微動だにしない。


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 遺跡は雪に覆われている。1金堂2塔式(+講堂?)の建物配置だけは確認できたが、整備の状況は不透明だ。ただ、基壇まわりの広場にコンクリートが敷き詰められている。どうして、コンクリートになったのだろうか。芝生の広場にすればよいのに・・・ラスキンの国、イギリスの遺跡では、モニュメントの残骸である石の構造物のまわりに芝生を敷き詰めるのが整備の常套であり、わたしはこのシンプルな手法をとても好んでいる。どうして、こんなふうにしてくれなかったのかな?
 べた雪の遺跡をぐるっと巡り歩き、建設中の四阿(あずまや↓)に戻った。まだ屋根が葺かれていないし、手すりも完成していない。テーブルだって欲しいところだ・・・が、ここしか休める場所はない。用意してきた水筒から紙コップにお湯を注いで、インスタント・コーヒーを飲み、クッキーをつまんだ。風情はある。

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 それから段々畑のような高台に上がり、遺跡の全景を望んで、帰途についた。
 デオデオに行った。動かなくなったデジカメを修理に出し、代わりに使う安いデジカメを購入した。液晶に触れるとシャッターが切れるとか、フォーカスした人物が笑うと自動でシャッターが切れるとか、安物ではあるけれど、いろんな新しい機能がついていて、機械音痴のわたしは、また悩んでいる。


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栃本廃寺跡を訪ねるバスツアー
     
 シンポジウム当日(12月17日)の午前には栃本廃寺を訪ねるバスツアーをおこないます(定員30名)。シンポジウムとあわせてご参加ください。申し込みは鳥取市教育委員会文化財課にお願いします。


   09:00 鳥取市役所本庁舎玄関前集合。
   09:30 出発。
   10:00 国史跡「栃本廃寺」着。整備状況を視察。
   11:00 国史跡「栃本廃寺」発。
   11:40 重要文化財「仁風閣」(シンポジウム会場)着。


【ツアーの申し込みとお問い合わせ先】
 鳥取市教育委員会文化財課(担当・佐々木)
  〒680-8571 鳥取市上魚町39番地
  ℡0857-20-3359 FAX0857-203050 e-mail:kyo-bunka@city.tottori.lg.jp

 山林シンポちらし 山林シンポちらし裏
↑クリックすると画面が拡大します。左の裏面に申し込み用紙がついていますので、プリントアウトして必要事項を書き込み、鳥取市文化財課のFAXに送信お願いいたします。


  1. 2011/12/12(月) 00:04:35|
  2. 史跡|
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