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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

パット・メセニーの憂鬱(Ⅱ)

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E7 と Em7

 「猫と私と音楽」をテーマに掲げたプロジェクト研究に3名の学生が集まった。みな音楽がやりたい。が、レベルと指向がちがう。ひとりはジャコとメセニーを愛する人並みはずれたレベルの持ち主で、もう一人は「楽器はできないが、この半期の間にギターが弾けるようになりたい」と言って中古のフェルナンデス(ストラト型)を買った。3人目の学生は、両者の中間的レベルで、ドラムを叩く。
 教師のレベルは、人並みはずれた学生よりも低いが、音楽の指向性は近い。二人ともジャズを好んでいて、学生はジャコ&メセニー以降の超モダンな音楽を指向しており、わたしもジャコをおおいに尊敬している。ジャコはジャズ史上、革命的な存在だ。何度聴いても、そう思う。パーカーやコルトレーンやドルフィーに匹敵する・・・あるいは、それ以上の評価を与えるべきかもしれない。一方、メセニーはどうかというと、ジャコほどの「天才」ではない、とわたしは思っている。ジャズはよく聴いてきたが、いったいだれが好きなのだろう・・・前にも書いたかもしれないが、わたしはパーカーよりレスター・ヤングを好んでいる。無性にレスター・ヤングのバラードが聴きたくなることがある。
 さて、学生たちは「Jポップ」が音楽の常識としてある。わたしには、さっぱりない。なにがJポップで、なにがKポップなのかさっぱりわからない。カラオケでよく唱うのは斉藤和義だが、あれは頼まれるから唱っているだけで、斉藤和義という歌手が好きなわけではない。ついでに言っておくと、エグザイルと嵐はなんどCDを聞いても、カラオケで唄えるレベルにならない。SMAPは唄えたのに・・・

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 細野晴臣の「恋は桃色」を練習曲に選んだのは、4つのコードでこなせると判断したからである。3カポの、D-G-Em7-A7で、この曲は演れる。間違いなく、演れる。初心者でもコードを弾ける。
 平田へ向かう車中で『HoSoNo House』(1973)を聴き続けた。9曲めに「恋は桃色」が入っている。東京シャイネスとはちがって、複雑なアレンジだ。ジェイムズ・テイラーの影響が強すぎて、無理矢理コードをこねくりまわした感がある。石橋酒造に到着して、スギボー所有のバンドスコア『はっぴいえんどベスト(改訂版)』をみせてもらった。「恋は桃色」も含まれている。予想どおり、細かくコードが割り振られていた。イントロの3小節はこんな具合だ。

   C7sus4(onD)→ B7sus4(onC)→ Gm7/Gm7(onC)C

 若気のいたりではないでしょうかね。この奇っ怪なイントロが気にいっているなら、東京シャイネスの演奏でも使っていただろうから、細野さん自身、あまりお好きではないのでしょう。
 問題は「E7」である。わたしの採譜でEm7としている部分を、バンドスコアではE7とEm7に使い分けている。いずれもGの代理コードだが、普通のポップスなら、いわゆる「Ⅱ→Ⅴ」の進行としてEm7を使うはずだ。これをE7に替えると曲調はあかるくなり、カントリーの匂いが強くなる。高田渡なら、間違いなくE7を使うだろう。
 結論を申し上げると、このたびの練習では、E7を排除した。初心者を含む練習で、E7とEm7を併用するのを回避したかった。コードの数を少なくしたい。もうひとつやっかいだったのは、つなぎ及びエンディングの部分で、これはわたし自身もよく理解していなかったが、上級レベルの学生(ピアノ)とスギボー(ベース)があっさり弾いてくれたので、みなその真似をした。【続】




  1. 2011/12/13(火) 00:59:14|
  2. 音楽|
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