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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

下之郷遺跡58次調査に関するコメント

 先週訪れた滋賀県守山市の下之郷遺跡第58次調査区に関する記者発表が、本日午前10時よりおこわれることになり、守山市教育委員会よりコメントを依頼されたので、さきほど送信した。その全文を転載する。

 1)建物A~Fの6棟はいずれも長大な建物であるが、柱穴は小さく、梁間は3.6m前後と長いので、高床建物ではなく、平地土間式の建物であった可能性が高い。山陰の弥生集落でみられる「長棟建物」に似ている。
 2)各建物には何時期かの建て替えが認められる。1棟ずつの時期的な変遷をあきらかにし、柱間寸法等を確定しないと、建築的な特色を把握できない。現状の遺構図のみでは、入口の位置や壁材などを推定するのは不可能である。
 3)建物は3つの方位に分類されるが、それは時期差として認識してよいであろう。遺構の重複等からみて、建物A・B→建物C・D→建物E・Fという変遷は妥当な解釈と思われる。そうしてみると、調査区においては、1時期に1棟もしくは2棟の建物しか存在していなかったことになる。
 4)大型の掘立柱建物とはいっても、その性格を祭祀や生産に特化できるわけではない。下之郷遺跡では竪穴住居が1棟もみつかっておらず、円形平面の平地住居も検出数は少ない。したがって、今回みつかった「長棟建物」にも「居住」の機能が包含されていた可能性を否定できない。居住性能をもち、さらに生産や祭祀にも使われた建物だったのかもしれないが、現状では、機能比定は困難と言わざるをえない。
 5)現在は範囲確認調査の段階であり、いまだ情報が錯綜としている。下之郷遺跡がきわめて重要な弥生時代の環濠集落であることはいうまでもないが、拙速で過大な評価は控えるべきと思われる。

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  1. 2006/01/24(火) 00:00:34|
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