NHKのBS2で「高橋真梨子Song for You」という番組が4回放送されたのをご存じであろうか。1回めは昨年の一月に放映された。ニューヨークを舞台とした設定で、なにより驚いたのは「五番街のマリー」を英語でうたうシーンであった。これがとんでもなくカッコよくて、日本語の「五番街のマリー」とはちがう別の曲ではないか、と思わせるほど、新鮮に聞こえた。その結果、わたしはアマゾンで2枚のCDを注文することになる。それまで、高橋真梨子のファンであったという自覚も記憶もまったくないのだけれども。
番組の4回目=最終回が放送されたのは、去る1月16日。2回めと3回めを見落としたので、ここはなんとか見なければと必死で予約録画の設定をしておいた。幸い、その日の夜は、番組の始まりすれすれに帰宅できたから、生の放送でもみたのだが、今日またその録画をみなおした。
日本タレント名鑑によると、高橋真梨子は1949年3月6日生まれの魚座で、福岡出身。血液型はA型である。ペドロ&カプリシャスの2代目ボーカルとして、1978年にデビューした。わたしより7歳も年上だが、画面に映るその姿はなんとも麗しい。『島耕作』に出てくる銀座のママさんみたいな感じなんだけれども、それは妖艶な美しさではなく、清潔な美しさであって、しかも、もちろん色気がないわけではない(ないはずがない)。驚いたことに、92年のニューヨーク公演、93年のロンドン公演、94年リレハンメル・オリンピックのNHKテーマ曲披露会と回想シーンが流れるのだが、十数年前と比べても、今のほうが何倍も綺麗にみえる。なにより笑顔がすばらしい。菩薩のような微笑みである。90年代前半の高橋真梨子に出会ったとしても、おそらくそう動揺することはないだろう(あるかもしれない)が、今の高橋真梨子と対面したら、たぶん心臓がバッコンドックンして、色紙を差し出す手が震えてしまうだろう。
さて、卑近なところと比較するならば、自分がこれまで観察しえた女性の場合、30代のほうが40代よりも、そして、40代のほうが50代よりも美形であるのが一般的である。要するに、若いころのほうが美しかったという偏見をもっているから、ワイフにたいしても、ときに、
「あのころは綺麗だったよなぁ・・・」
などと慨嘆し、その結果、
「過去形なのね!?」
などと叱られ、すねられたことが何度かあった。おそらく世の亭主族は同じような経験をしてきたことでありましょう。
しかるに、高橋真梨子は50代後半を迎えて、なぜあれほど容姿端麗なのだろうか。それは、彼女がタレントだからだ、と答えるのは簡単だ。かつて、高橋真梨子と同じ音声の名前を有する加賀●●子という大女優が、美貌の秘訣を聞かれて、
「粉よ、粉・・・」
と毒づいていたのを覚えているが、粉だけで菩薩のような微笑みが得られるはずはない。化粧や髪型や服装は、間違いなく、女性の印象をいちじるしく変えてしまうけれども、それはときに「厚化粧」とか「勘違い」という悪しき結果を招きかねない。最近では、上智大学のセンセイから某大臣におなりになった方が、入閣記念撮影のさいにお召しになった青いドレスが物議を醸したとおりである。
高橋真梨子が長い歳月をかけて獲得した容姿を、男のわたしが説明できるはずはないのだが、ただただ、
「うまい具合に年を重ねてきたもんだなぁ」
と感嘆したしだいである。一言でいうならば、わたしは高橋真梨子に勇気づけられた。だから、録画までみてしまったのである。
これからも、楽しいことがたくさんあるさ、・・・ハマダバダ
- 2006/01/28(土) 19:19:54|
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