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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

第3回「修験道トレッキング -山と巨岩の信仰を訪ねて」その2

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神仏習合の空間

 悪天候のため摩尼山の登山を断念し、今回は不動院岩屋堂(ふどういんいわやどう)と舂米(つくよね)の棚田を見学した。
 不動院岩屋堂は八頭郡若桜町岩屋堂にあるお寺で、国指定重要文化財に指定されている。高さ約13m、間口約7m、奥行約10mの天然の石窟内に嵌め込まれようにして建てられた建物であり、岩窟の中に建てられたことから窟堂(いわやどう)と称された。先生曰く、この岩窟は人の手によって掘られた人工の可能性が高いという。岩窟の中に堂の建つ様は力強く、神秘的でまさに不動明王が祀られる場所にふさわしいと感じた。また、不動院岩屋堂のすぐ隣には神社もある。この神社は巨岩の影にあり、仏教・神道とも巨岩を特別なものとしてみる考え方があるようだ。仏教と神道の融合を「神仏習合」といい、日本独特の文化である。二つの宗教の建物が隣り合わせで建てられているのは、非常に興味深くさらに詳しく調べてみたいと感じた。
 舂米の棚田は八東川の支流春米川の上流域、陣鉢山・氷ノ山などに囲まれた山間地に位置する棚田である。舂米の棚田は「日本の棚田100選」に選定されている。「響きの森」でのミーティング後、棚田を俯瞰するビューポイントをめざしたが、土砂崩れのため通行止めとなっていた。今回は横から見学することになった。山の斜面の上に作られたため段々になった田を見ていると、狭い土地で何とか稲作をしようという昔の人の工夫を感じた。今はまだ田植えはしていないが、稲が成長した夏や秋には非常に美しい棚田を見ることができるのではないかと思った。米が実った時期にまたここにきて、棚田をもう一度見てみたいと思う。
 不動院岩屋堂から舂米の棚田へ行く途中、氷ノ山自然ふれあい館「響の森」に立ち寄り、ゴールデンウィークの登山計画について話し合った。自家用車をもつメンバーを含むC班とD班は、やや遠方の山に行くことになった。
 以下のような計画を組んでいる。(情報システム学科2年E.M)

  C班: 4月28日 三徳山三仏寺投入堂(建造物が国宝)
  D班: 5月6日  三徳山冠巌(かんむりいわ)経由で山頂をめざす。


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↑「響の森」でGWに登る山の相談 

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時は偉大なものをさらに偉大にさせる

 八頭郡若桜町にある不動院岩屋堂を訪れた。岩屋堂は傾斜地などへ張り出して建
てられる懸造(かけづくり)として有名である。車を少し離れた駐車場に停め、渓流魚が住んでいそうな川に沿って歩いていると、左側に大きな岩窟を発見。そして、岩窟の中に窮屈そうに建っているのが今回の目的地である不動院岩屋堂だ。岩屋堂の前には30段ほどの階段があり、さらにその前には柵がしてあるのだが、重要文化財の建造物なので、先生が心配して、今回は若桜町に入堂の申請をあえてしなかったそうだ。別に危険集団として認知されたからではなく、人数が多いから、という理由による。肝心の岩屋堂の建立年代は、室町初期(1340年~)とされている。岩屋堂から放たれる堂々としたオーラを肌で感じたとき、その年代は間違っていないなと勝手に確信した。また、岩屋堂は岩屋神社と一体になった神仏集合の修行場であるという。
 岩屋堂を後にして、しばらく車を走らせると今回の第2目的地である氷ノ山の「ひびきの森」に到着した。「ひびきの森」には手の込んだジオラマがある。森(ジオラマ)のなかを歩いていくとサル、鳥、狐、ヤマネ、イノシシなどに出会った。その中には妖精がいて森の説明をしてくれる。その他にも暗闇植物クイズやキノコの射的ゲームなど、楽しみながら学べる設備が整っていた。子どもの頃に嫌と言うほど「ひびきの森」に行っていたので、(改めて行くとなるとたまらないものがある)と心の奥底で嘆いていたのだが、実際行ってみたらいつの間にか童心に帰っていた。

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 最後の目的地である「春米(つくよね)の棚田」は車道が通行止めになっていて、良いポイントで見ることができなかった。春米の棚田には畦に石垣があり、石垣があったほうが景観が映えるとされる。予測以上に大きな段になっていて、冷たい風にさらされながら少し衝撃を受けた。ちなみに、教授は棚田マニアでもあり、「耕して天に至る」という言葉が透きなのだそうである。
 第3回のプロジェクト研究で学んだことが主に2つある。1つ目は、「時」は偉大なものをさらに偉大にさせるということ。2つ目は、自分が文章を書くと尻すぼみになる傾向があるということだ。これからも自分の知らない世界を見ていきたい。
 なお、登山予定は以下のように決まった。(環境マネジメント学科FY)

  A班: 5月12日11時 大学ロータリー集合 三角山
  B班: 4月29日9時  大学ロータリー集合 三角山


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↑おニューになった登山靴!
  1. 2012/04/30(月) 15:40:51|
  2. 景観|
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