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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

ノビタを締める訳

 一般入試Aは無事終了し、スーパーいなばに飛び乗って、学生たちの卒論に目をとおした。最後に残った卒論はノビタの「鳥取城石垣に関する史的考察」で、読めば読むほど血圧があがり、途中でノビタ自身にメールを発した。ノビタはわたしに対する殺意をもって、こういう論文を書いているのかもしれない。こういう書きまわしをすれば、A先生の血圧はどんどん上がり、脳梗塞か心筋梗塞であの世行きさ、ナンマイダァ、ハマダバダァ・・・
 そうこうしていると、窓外の景色は銀世界に一変している。神様はなんと不平等を与えたもうか。岡山の快晴と山陰の大雪。すると、こんどはタクオからのメールが入った。どうやら朝から大学にいるようで、
  「鳥取駅まで迎えにいきますよ」
と聞いてくるから、
  「いや、入試広報課が郡家駅まで迎えに来てくれるんだ」
と返事を打ち、午後4時半に演習室で落ち合うことにした。大学に戻ってからは、卒業生を一人ずつ呼び寄せ、提出物に関するコメントをはじめた。ちょうどノビタの卒論に対してお説教しているころ、タクオがあらわれた。
  「センセィ、ノビタ君には厳しいですね!?」
と夕飯を食べながらタクオは言う。
  「いや、あいつはわかっているはずだ。ほかの4年生は研究室の活動にずいぶん振りまわされて、調査や作図や整理に追われてきたのだけれど、ノビタには自由に鳥取城石垣の研究をやらせてきたんだ。にもかかわらず、このザマはどうしたことか。あいつはいちばん飲み歩きにもつきあってくれて、逆に言えば、いちばん甘やかしてきたから、最後の最後は締めなきゃいけない・・・」

 ノビタは4月から新聞記者になる。文筆がかれの仕事になるのである。論理的でおもしろい文章を書くにはどうしたらいいのか。あと何年たったら、そのツボに気づくだろうか。

  1. 2006/02/05(日) 23:16:28|
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