卒業研究展の最終日。日曜日ということもあって、大勢の観衆でにぎわっていた。展覧会は成功である。

わたしは、今日が2回目の会場入り。展示会の2日め(3月2日)にいちど会場を訪れ、すべての作品と論文をざっとみておいた。印象に残った作品・論文はもちろんそのときチェックしている。昨夜、米子から帰り、今度は『卒業作品集』と『卒業論文概要集』に目を通し、出来がよいと思う作品・論文に付箋をつけた。そして、今日、再び会場へ。まず、もういちどすべての作品と論文をみてわまった。なぜこういうくどいことをしているのか、というと、卒業式に授与する「賞」がいくつかあって、デザイン学科の教員は、優秀だと判断する数点の作品・論文に投票しなければならないからだ。その〆切が今日なのである。
展示をみた後、カフェに移動した。コーヒーを飲みながら、候補として仮に○付けした作品・論文を『卒業作品集』『卒業論文概要集』と対照させてみた。すると、昨夜までは候補として浮上していたのに、今日はチェックしていない論文があることに気がついた。パネルが地味だと見落としがちだが、論文概要を読むと、結構おもしろいものがある。作品にしても、模型やパネルのプレゼンテーションに目を奪われがちだが、はたして「建築」になったらいかがなものか、と疑われるものがないことはない・・・
候補の数は、与えられた○の数よりも多くなって、それを絞り切れなくなったから、カフェから再び会場に戻って、いくつかの作品・論文をみなおした。候補を絞る作業のなかで、ひとつだけ基準を設けることにした。二人で仕上げた論文・作品よりも、単独一名の論文・作品に高いポイントを与えることにしたのである。また、できるだけ多くの分野から選びたいとも思った。こうして、ようやく投票すべき対象が決定した。
今年の卒業研究は、昨年にくらべると、「浅川研風」のものが飛躍的に増えている。なにをもって「浅川研風」というのかといえば、歴史的建造物、古民家、集落・町並み、遺跡、文化財、廃棄物などを対象として、その調査・研究・復原・再生に取り組み、作品や論文に仕上げているものである。このスタイルで勝負を決しようとする場合、やはりうちのゼミは強い。ピエールの論文、社長の作品などは突出した位置を占めている。ただし、他の教員がそう思っているとは限らない。だから、賞の行方はまったくわからない。賞などくだらない、と思って待っていればよいだろう。
おかげさまで、ピエールの「池田光仲墓の石造玉垣に関する考察」が論文部門の1位、社長の「Join Hands -湯梨浜町尾崎家住宅の保全再生計画」が制作部門の1位に輝きました。予想していた通りの結果となりましたが、これは珍しいことですね。(3月7日)
- 2006/03/05(日) 20:17:02|
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