今日はネタのない一日だ。だから、妻木晩田遺跡のことでも書こうか。このまえちょっとした集まりがあったのだが、どうも整備に対する考えかたが空転しているように思えてならなかった。
基本整備構想にのっとって、活用ゾーン、復元ゾーン、遺構表示ゾーンという地区分け(ゾーニング)をしていて、それぞれの地区をどう特色づけるかに知恵を絞っているのだが、結局、どこもかしこも似たようなもので、お釈迦さまの指のまわりを急旋回している孫悟空を思い出した。
話を聞いていて、なんどか溜め息をついた。
「考古屋の発想だね・・・」
という感想を述べた。若くて活きがよくて、うらやましい限りなんだけれども、それはときに前原代表のようなこだわりのようにも感じられたりして、思わず、
「そんなのマスターベーションじゃないのか」
という捨て科白が口からこぼれそうになった。
アイデアをこねくりまわして、行き詰まったときには、原点に立ち返るしかない。
「シンプル・イズ・ザ・ベスト!」
いったい妻木晩田の何が人びとに感動を与えているのか、よく考えてみることだ。考古屋に感動を与えるのではない。一般の訪問者に何が感動を与えて、リピーターを増殖させているのかを再確認することだ。
昨年と一昨年の夏休み、イングランドの田舎町とスコットランドの離島で、わたしは得難い体験をした。だから、あれしかない、と思うのだが、その思いはたぶん他の出席者には伝わらないだろう。

月照寺天隆公寿蔵碑の亀趺。亀趺は亀の台座だが、ただの亀ではない。古代中国の神仙世界に住む霊獣である。
- 2006/03/06(月) 23:50:17|
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