ガンバ大阪は、加治の参入によって、昨年までの3バックから4バックへシステムを変更した。このシステム変更にともない、日本代表主将の宮本恒靖がポジションを失っている。西野監督は「宮本の特徴が一番生きるのは3バックの真ん中」だから、「今はバックアップでいてくれ」と直接伝え、宮本も「4バックはコンビネーションが大事だから難しい」とコメントしているという。
じつは、宮本は昨年までもレギュラーと補欠の中間にいて、ガンバにおいては、必ずしも安定した先発の選手ではなかった。ガンバにはシジクレイという有能がセンターバックがいるから、3バックにおいても、宮本を使わないほうがうまく機能していた時期があった。その象徴は、ヴェルディに敗れた昨年元旦の天皇杯決勝で、前半に宮本のミスでたしか2点を奪われ、西野監督は後半から宮本をベンチに下げてしまった。その後、リーグ戦でも宮本は先発を外れていたが、チームが一時期低迷したため、リベロに宮本が復活し、シジクレイは右のストッパーにポジションを移した。その後、ガンバは復調し、大混戦のJリーグを制覇したのだが、その勝因は何かといえば、あきらかにアラウージョ、フェンルナンジーニョ、大黒の三角形が作り出す攻撃力であって、守備力そのものが突出していたわけではない。2失点しても4得点する、というのがガンバの戦い方だった。
しかし、今年は大黒とアラウージョが抜けてしまい、得点が半減するのは目にみえている。だからこそ、ディフェンス・ラインを強化する必要に迫られているのだ。
西野監督は、日々、宮本をみている。ジーコの何倍も宮本のことを知っている。だから、宮本を外すことに違和感はない。むしろ、それを断行すべきと判断している。
問題はジーコだ。宮本はルックスがよいから一般大衆、とくに女性に受けがよい。しかし、目の肥えたプロの評論家や専門家からみれば、宮本は体格に劣り、スピードに劣り、危なっかしくてみていられない選手の代表である。いまや、アレックスと宮本の処遇がW杯本戦における日本代表チームの戦いを決定づけるであろうところまで来ているのだが、ジーコがこの二人を外す可能性はきわめて低いと思われる。
アレックス、中澤、宮本、加治の4バックなら、J2クラスのチームでも十分得点することが可能であろう。救世主は松田だとだれもが思っている。松田は、どういうわけか、歴代の代表監督に嫌われてしまうが、身体能力が高く、中澤とのコンビショーションも阿吽のレベルに達している。優勝経験も豊富だ。アレックス、中澤、宮本、加治の4バックを中田浩、中澤、松田、加治に変えてほしい。さらに守備的に臨もうとするならば、以前にも主張したように、中田浩、中澤、松田、田中誠の4名がよいだろう。
宮本を使い続け、松田を起用しないのはジーコの判断だ。だから、ジーコを首にして、西野か岡田をW杯本戦の監督にすれば話は早いのである。
- 2006/03/11(土) 12:50:23|
- サッカー|
-
トラックバック:0|
-
コメント:0