「燕尾服の似合わない人だな」
ドン小西は嘆いていた。春分の日と同じモーニングを今日も着ている。新モンゴロイド的顔貌とも不釣り合いだし、ズボンの色がモーニングの黒とあっていない。おなかの出具合もよくわかる。椅子にすわると、ズボンの裾があがって、靴下がまるみえ。こういう人物に限って、ネクタイの着用を強制するのだが、おそらくネクタイならば、どんなネクタイでも構わないのであろう。着こなしなんて、問題外なんだ。
「羽織袴のほうがずっと似合うな」
ドン小西はそうも言っていた。

ホカノはスーツを着ていた。ネクタイも締めていた。だって、今日は大学院の入学式でもあるのだから。ホカノの同級生はみんな卒業して居なくなったはずだが、どういうわけか、ノビタが門前でチラシを配っていた。ノビタは地元N紙の記者になったのだが、まだ見習いで、記事を書くなんて先の先。
N紙の購読料は月額1,995円(税込み)。どうぞよろしくお願いいたします。
今日は強烈な一日だった。革命記念日と呼びうる日である。多くの人物の心に傷を残してしまった。だから、飲みたくなった。もともと、ノビタと二人で飲もうと思っていた。ノビタはアトピーに悩んでいたので、スリランカでみつけたハーブオイルを渡そうと、今晩は「飛鳥」で落ち合うことにしていたのだが、そこに多くの男たちが集結した。痛飲というわけではない。相手の傷みが見通せる自分をまぎらわすために酒を飲んだのである。
- 2006/04/04(火) 19:45:38|
- 研究室|
-
トラックバック:0|
-
コメント:1
いただいたハーブオイルはすごい効きました。ミサンガも大切にします。
ありがとうございましたm(__)m
- 2006/04/05(水) 21:20:05 |
- URL |
- ノビタ #ti0du7I6
- [ 編集]