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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

ヤモリと蘭の花

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 目覚めたら、ワイフが大騒ぎしている。
  「シャッター締めたら、その勢いでヤモリが死んじゃった、どうしよう、可哀想に・・・」
 ご存じのように、ヤモリは「家守」であって、ここ日本では家の守り神として信仰されてきた動物である。『広辞苑』をひくと、その漢字名は「守宮」とある。日中辞典で確認すると、「守宮」は中国語の呼称であることがわかった。ここにいう「宮」は宮殿をさすわけではない。「宮」は屋根の下に二つの部屋をもつ家屋を原義とする。一方、「家」は豚を飼育する小屋を原義とするのだが、いつしか住まいをさすようになった。要するに、「宮」と「家」はほぼ同義であるといってよく、してみれば、家の守り神としての信仰は中国起源なのであろうか。
 ヤモリは、蚊や蛾など家に寄りつく害虫を食べる人類の味方であり、『広辞苑』でも「指趾の下面は吸盤様の構造で、これで壁・天井などにつかまる。夜出て、昆虫を補食。(略)本州以南・朝鮮・中国南部に分布する」とあり、最後に「壁虎」という別称が紹介されている。日中辞典によれば、「壁虎」もまた中国語の呼称であり、直感的には南方方言の匂いがする。ヤモリは、「虎」というにはあまりにひょうきんな風体をしており、鱗が微小なため、透き通った肌がつやつやしていて、とりわけ小さなヤモリにはなんとも言えない可愛らしさがある。かつて、我が家では、極小のヤモリを虫箱にいれて買っていた時代もあった。そのヤモリの愛称は「ミュー」であった。
 ワイフはヤモリをシャッターで圧殺したことを何度も悔やんでいた。しばらくすると、裏庭に墓を作った。線香を焚きたいというので、花火のような棒軸のついたインドのお香をわたした。このタイプの線香は地面に突き刺せるから、土葬に適している。

 それから、またしばらくして、べつの新しい発見があった。裏庭にある植物が蕾をつけているのだが、蕾の中では花弁が開きはじめ、花芯がみえている。それは白地に紫の斑点がついた蘭の花であった。なぜ我が家に蘭の花が舞い込んだのかはわからない。こんなことが嬉しいのである。

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昨夜のデブ
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  1. 2006/04/18(火) 16:07:44|
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