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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

のびたインタビュー(Ⅵ) -ヴェルトマイスターシャフト2006

 ノビタです。

 先週末、先生から突然電話がかかってきて、たっぷり絞られてしまいました。急ぎの報告書の出張校正をされていたようで、わたしの卒業論文の参考文献などで「訳がわからん!」を繰り返され、大変ご機嫌斜めだったので、今回のインタビューはびびりっぱなしです。

N: 校正ではご面倒をおかけしまして、申し訳ありませんでした。
A: ・・・・・
N: 先週はサッカーの試合、ご覧になりましたか?
A: WOWOWでジダンのラスト・ゲームを観たよ。リーガ・エスパニョーラのレアル・マドリード対セビリア。それとBS1で、マラドーナの大会と言われた1986年メキシコW杯の特集もやっていたね。何度も観た映像なのに、またしてもマラドーナの美技に見惚れてしまった。
N: ジダン、どうでしたか?
A: 本当に辞めるんかね、って感じだねぇ。全盛期に比べたらコンディションは落ちているけれど、まだ3~4年はやれそうだ。たぶん、どこかで復活するでしょう。
N: 試合はどうでしたか?
A: セビリアのホームなんだけど、はじめにレアルがベッカムの2点でリードするんだ。ところが、そこからセビリアが4点連取して逆転。後半の終盤にジダンが1点とって、結局レアルは3-4で敗れてしまい、ジダンのラストマッチを飾れなかった。セビリアは今期UEFAカップで優勝したんだけど、この試合に勝ち、オサスナがバレンシアに負けると、来期はチャンピオンズ・リーグの出場権を得るというので気合いが入っていたね。結局、オサスナが勝って、CL出場は果たせなかったけど。
N: 4-3の試合ですか。ノーガードの打ち合い?
A: サッカーはね、3-2の試合がいちばん面白いっていわれてるんだ。4-3は、ちょっと締まりがないっていうか、ディフェンスがだらしない、という印象をもってしまう。
N: たしか昨期も、レアルはセビリアに0-4で大敗しましたよね。
A: そうなんだ。銀河系軍団と呼ばれたチームも、マケレレを放出したあたりからおかしくなった。ディフェンス・ラインはもちろんだけど、ボランチがいかに重要な存在か、よくわかるね。
N: レアルはなぜタイトルに縁がないのでしょうか?
A: 巨人やヤンキースが優勝できないのと同じでしょ。いくら攻撃的なスター選手ばかり揃えても、完全に強いチームにはならないということですよ。4番バッターばかりごろごろいても、勝率は上がらない。
N: その点、WBCの日本代表はいいチームでしたね。
A: ほんとうに素晴らしかった。王監督の選手選考はじつに適格でした。松井、井口、城島が居なかったけれども、かれらが加わっていたとしても、勝っていたかどうかわからんもんね。1番には1番、2番には2番に適した人材が必要で、ランナーが出たら進塁打を確実に打てる選手がトーナメントでは重要な位置を占める。WBCは野球の原点を教えてくれたね、それは高校野球だと思うんだけど。高校野球こそがスモールベースボールだもの。
N: とすれば、サッカーの日本代表にだってチャンスはあるんじゃないですか。山椒は小粒でぴりりと辛い・・・
A: いや、野球とサッカーでは歴史の深さが違う。日本のプロサッカーは、Jリーグ発足後まだ13年しか経っていない。プロ野球は数十年の歴史がある。重みがありますよ。日本のプロ野球はね、組み合わせ方によれば、王JAPANとほぼ同等の力をもつ選抜チームを、あと1~2チームは作れますよ。それだけ選手層が厚い。それに、最近の野球選手は、体格的にもアメリカの選手にひけをとらなくなってきている。
N: 日本のサッカー選手はやはり世界に通用しないでしょうか?
A: レアル対セビリアの試合をみていて、やはりレベルが違うと思ったね。中田レベルの選手が、レアルやセビリアのレギュラーでやれるか、と言えば、やはり駄目でしょ。中村だって、スコットランド・リーグだから10番もらって先発しているけど、スペインやイタリアのビッグ・クラブに移籍したら、間違いなく補欠ですね。
N: 何が違うのでしょうか?
A: たとえば中村の場合、技術的にはワールドクラスなんだけれど、体格と運動能力がどうしても劣っている。野球で言えば、松井とまではいかないまでも、井口ぐらいの体格と運動能力が欲しいね。イチローの場合、細身だけれど、あの足の速さは異常だものね。
N: ということは、日本代表は欧米のチームには敵わないことになりますね。
A: いや、だから監督の存在が重要になるんですよ。個々の技術や体力では欧米に敵わない。しかし、欧米の選手が嫌がるのは日本人の俊敏性です。その俊敏性を最大限活かすことのできる「組織」を作り上げる監督が必要とされている。
N: ジーコでは駄目でしょうか?
A: ジーコはブラジルのセレソンを日本代表のモデルにしている。いつまで経っても、サッカーの理想像として、82年の黄金のカルテットに囚われている。個々の高い能力をもった選手をポンと集合させれば、夢のようなサッカーができると思ったら大間違いですね。あれが許されるのはブラジルだけ。
N: どういう監督が日本代表にふさわしいのでしょうか?
A: だれが、とは明言できないけれど、参考となる監督は二人いる。一人は2002年日韓W杯のヒディング(蘭)、もう一人は2004年ユーロのレーハーゲル(独)。両者の基本戦術はまったく異なるけれども、共通しているのは、組織力の強いチームを短期間で作る能力をもっていることだよ。じっさい、2002年の韓国代表、2004年のギリシア代表は、とくに個人的能力の高い選手の集合体ではなかった。個々の能力はそれほど高くなくても、一定の規律をもった「組織」があり、卓越した「戦術」「戦略」が浸透していれば、世界の4強、あるいはヨーロッパ・チャンピオンになれることを二人の監督は証明してみせた。そして、こういうタイプの監督は、必ず「相手チームの分析能力」にも長けている。じっさい、ヒディングは「日本代表を丸裸にする」と豪語しているよね。
N: ジーコ監督は相手チームを分析しないのでしょうか?
A: 分析しないことはないだろうけれど、かれの常套句は「自分たちのサッカーをすれば勝てる」だよね。アジア杯では、それでも通用するかもしれないけれど、W杯で「自分たちのサッカーができる」とほんとうに思っているとしたら、とんでもないことだよ。相手の長所を消さない限り、自分たちのサッカーはできないし、相手は自分たちの長所を消しに来るんだからね。
N: ジーコはブラジルに対しても、真っ向勝負を挑むでしょうね。
A: 狂気の沙汰だね。日本はブラジルと10回戦って1回勝てるかどうか、の実力でしょ。アトランタ五輪で西野が率いる日本(23歳以下代表)がブラジルに勝てたのも、西野がブラジルを分析し尽くして、ああいう守備的な戦術しかないと判断した結果うまれた奇跡なんだから。たとえつまらないサッカーだと批判されようと、結果として勝点3を奪うことが肝要であって、最悪でも勝点1を確保するような試合運びを期待したい。まぁ、ありえないでしょうが。 (続)

 
  1. 2006/05/22(月) 02:27:52|
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