ノビタです。
昨日はクロアチア対イランの親善試合がおこなわれ、2-2で引き分けました。さっそく、教授にコメントしていただくことにしましょう。
N: 先生、連日のインタビューですいません。昨日のクロアチア対イラン戦はご覧になりましたか?A: 観たよ。
N: どうでしたか?A: ビデオに撮ったんだけどね、録画するほどの試合じゃなかった。
N: どういうことですか?A: 日本におけるキリン・カップのような試合をクロアチアがホーム最後の試合でやったわけです。監督もチームもそうとう批判されてるだろうね。
N: クロアチアは強くないんですか?A: 強くないことはないけど、ものすごく強いわけでもない。昨年、クロアチアはアルゼンチンに3-2で勝ったから、「かなり強い」というイメージを世界にアピールしたけれど、イタリアやオランダほどではない、ということがはっきりわかったね。98年フランス大会のクロアチア代表と比べれば、98年のほうがあきらかに上でしょうね。ボバン、スーケル、ヤルニ、プロシネツキ・・・大変なタレント揃いだった。
N: それじゃ、日本は勝てますか?A: 勝てないことはないと思うよ。少なくとも、負けない試合はできるはずだ。もっとも、ディフェンスがしっかりしていたら、の話だけれども。ボスニアにも、ブルガリアにも2失点するようなディフェンスなんだから、いまの日本代表は。
N: いきつくところは、やはりディフェンスですか?A: そのとおり。
N: クロアチアの攻撃の特徴を教えてください。A: サイドアタックだね。とくに右サイドからの崩しが得意。日本戦では、アレックスの裏側を頻繁についてくるでしょう。昨日の試合でも、1点目は右ウィングバックのブラニエシュのセンタリングから、中央でプルシュがこぼれ球を蹴り込んだ。日本は、この対応に苦労するだろうね。
N: 日本はどうしたらいいのですか?A: アレックスを控えにしたらいいのです。
N: ・・・・・A: まぁ、最初からアレックスには守備を期待しないことだね。「おまえは前にいろ!」と指示しておいたほうがいいんじゃないかな。ディフェンスに戻って来られても、逆に混乱するだけだから、もう福西のカバーに期待するしかない。
N: それじゃ、ヒデも上がれませんね。
A: 上がれない。アレックスを使うから、中田は上がれない。ディフェンス・ラインの前に残って、低い位置から縦のフィードに専念することになるでしょうね。上がれないのは、ジーコの所為です。
N: 共同通信によると、日本は紅白戦をしたんだけれど、中田・中村と宮本のあいだでディフェンス意識のずれがあったと報じていますね。A: 中田や中村は、攻撃しているあいだはディフェンスラインを押し上げてほしい、と主張しているのに対して、宮本はそうそう高い位置取りはできない、と反論しているらしいね。
N: どちらが正しいのですか?A; これはね、中学生でも知っていることですよ。自軍が攻撃中にボールを奪われたとするでしょ。そのときにディフェンス・ラインが低い位置にいると、中盤に大きなスペースができて、敵のカウンターをくらいやすいんだ。前線と最終ラインの間が開く状態を「アコーディオン」と言ってね。小中学生を指導するときでも、「アコーディオンになるな!」というのは当たり前なんだわ。中田はそれを言っているだけでしょ。
N: ラインを上げすぎて、裏を取られるのが怖いんでしょうね。A: だからゴールキーパーがスィーパーの位置まで押し上げるんだよ。74年ドイツ大会のオランダのGKヨングブラッドがやり始めたプレーだけれど、今では少年サッカーにも普及している。
N: 坪井は、前線からプレスをかけてくれないと、ラインを上げにくい、と言っているようです。A: まず、自軍が攻撃に転じて、ある程度キープできると判断したら、即座にラインを上げる必要がある。ラインを上げておけば、ボールを奪われても、プレスがかけやすい。自軍の攻撃が中途半端で、ルーズボールになりやすい場合は安易に押し上げてはいけない。
N: そのバランスですね。A: 最終ラインを状況にあわせて上下させるのは宮本の仕事ですよ。とくにボランチの中田英に対して、「戻れ!、あたれ!」と大声で支持するのが宮本の役割。たとえ喧嘩になっても、指示を続けるしかない。
N: 元に戻りますが、日本はクロアチアに勝てないでしょうか?A: 難しいね。2失点は覚悟しないといけないから、問題は2点以上取れるかどうか、だと思うのだけれど、残念ながら、厳しいと思います。ただ、今日のようなゲームをしているクロアチアにも不安材料がある。敵は3-5-2だから、1トップか3トップで臨むと混乱するかもしれんね。
N: ほかに何かニュースがあったら紹介してください。A: 『日刊スポーツ』を読むと、28日付のイギリスの新聞に中田英のインタビューが掲載されたという。そこで、ジーコ批判ともとれる発言をしているらしい。
N: どういう批判なのですか?A: 「日本代表のパス中心のプレーは長所であり弱点でもある。プレッシャーがかかってパス回しが不可能なときでもパスをつなごうとする。(華麗なパスサッカーで)個人としてのいいプレーをするのか、W杯で勝ち上がりたいのかを自問しなければならない」
N: ジーコ批判とも自己批判とも受け取れますね。A: うまいね、おまえ。・・・腕を上げたね。
N: ブンヤですから。 (続)
- 2006/05/30(火) 00:42:23|
- サッカー|
-
トラックバック:0|
-
コメント:0