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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

のびたインタビュー(ⅩⅩⅢ)-ヴェルトマイスターシャフト2006

 ノビタです。

 韓国がスイスに0-2で敗北し、アジア勢はグループ・リーグですべて姿を消しました。4年前の日韓大会で猛威をふるった韓国、アメリカ、日本はいずれもトーナメント進出ならず、ヨーロッパ諸国の大会であることを強く印象づけています。さて、今回からしばらく、ジーコJAPANの足跡を振り返りたいと思います。

N: 先生、今日も出勤ですか?
A: あぁ、ちょっとした会議があってね、さきほど採決がおこなわれてようやく決着がついたよ。
N: お疲れ様です。
A: もうすぐ最終のスーパーはくとに乗るからインタビューを急いでおくれ。
N: ともかく、ジーコJAPANの総括をしなきゃならないですよね。
A: ・・・・悪いのはね、アジア杯だと思うんだ・・・・
N: えっ、どういうことですか?
A: トルシェのときもそうだったし、ジーコがまさにそうだったんだけれど、アジア杯で息を吹きかえすんだな。
N: たしかに、アジア杯は2連覇していますね。2000年は名波を中心とするチームで圧倒的に強かったですし、・・・
A: 2004年の中国大会は逆境のなかで逆転につぐ逆転、最後はホームの中国相手に圧勝したよね。あれは痛快だった。じつは、なんどもあの決勝は録画でみたんだ。中国に留学経験のある日本人は、ほとんどみんな中国が好きじゃないんだけど、あそこまで日本に敵意を示すとは思っていなかった。その中国にアウェーで快勝なんだから、笑いがとまらなかったね。
N: それのどこが悪いんですか?
A: 監督に就任してからの2年間、トルシェもジーコも代表の試合であまり良い結果がでなくて、解任の危機になんどか直面していただろ。解任まであと一押しまできていたんだ。
N: トルシェは南米選手権でずたずたにやられましたし、ジーコもたしかに何試合も勝てずに「解任要求デモ」がおこりましたね。
A: ところが、アジア杯で激勝してしまうから、解任できなくなってしまう。解任できないどころか、国民やマスコミの評価が豹変してしまうんですよ。
N: トルシェもジーコも英雄になってしまいました。
A: しかし、よくよく考えてみると、日本のサッカーの質が高かったわけではない。ヨルダンやバーレーンなどを相手に失点を重ね、ずいぶん不安な面をのぞかせているんだ。決勝の中国戦にしても、日本が強かったというより、中国があまりにも弱かったというしかないでしょ。
N: 日本がアジア杯で勝ったチームはみんな弱いということですね。
A: 今回のW杯で、それが実証されたわけです。イランもサウジも韓国もすべて予選敗退。W杯に出たら勝てないチームにアジア杯で勝って日本人は驚喜し、日本代表を強いチームだと錯覚してしまったわけです。一種の共同幻想だね。
N: おなじことはワールドカップのアジア地区予選にもあてはまりますよね。
A: そうなんだ。1次予選から2次予選にかけて、あんなに苦労しなくてもいいのに、シンガポールやインドに苦戦して、イランにはアウェーで負けたけれどもバーレーンや北朝鮮に勝って、遊び半分のイランにホームで勝って、日本は1位通過した。これを結果だけとらえて喜んで、日本を強くなったと思いこんでしまったんだな。じつは、試合の中身をふりかえると貧相なものなんだけどね。
N: アジア地区予選を勝ち抜くのは、いまやあたりまえということですね?
A: そうなんだ。あたりまえなんだな。監督経験のないジーコが監督をやって、不可解な選手起用や采配を繰り返しても、アジア地区予選程度のレベルなら突破してしまう。
N: それだけ、アジアのレベルは低い。しかし、国民の期待はふくらみますね。
A: 国民とマスコミはしゃいでいる。でも、大概の玄人は気づいているんだ。ジーコJAPANの内側には大きな矛盾が渦巻いていることをね。ジーコ率いる日本代表は強くない。欧米の強豪には敵わない。ジーコの戦術・戦略・采配には非常に大きな問題があるということを気づいていたはずなんだ。テレビカメラの前でリップサービスしている評論家たちにしても、ほんとは日本が弱いことを知っていたはずだよ。
N: ヒデも気づいていたんじゃないですか?
A: そうなんだ。日本代表のなかで、ただ一人、中田英だけがチームの弱さを察知していて、「今のままでは戦えない」とマスコミにコメントしたり、練習中に他のメンバーを罵倒したり、クロアチア戦のハーフタイムでボランチの交替をジーコに要求したりしていたんだよ。
N: そのヒデが、グラウンドに寝ころんで泣いていましたね・・・
A: あれにはすこし驚いた。あの男は、もっと乾いた人格の持ち主だと思っていたのだけれど、負けを受け入れることができなくて、泣いてしまったんだな。最後のW杯だという想いもあったのかもしれない。
N: 最後になるでしょうか?
A: 次回はラーションとかネドベドの年齢だろ。やれないことはないよね。しかし、中田を叱るぐらいの強い個性をもった人材があらわれないとね、次回もまたテープの巻き戻しさ。
N: ところで、先生はジーコがもとからお嫌いなんですか? それとも監督としてのジーコを評価していないんですか?
A: 後者だよ。選手としてのジーコは神様だったね。Jリーグ勃興期に日本のサッカーを革新したのが、ジーコ率いるアントラーズだったことはだれだって認めるでしょ。不思議に思うのはね、アントラーズでは選手個々の役割分担がしっかりできていたのに、ジーコJAPANはそれがきわめて曖昧だったことだよ。初期のアントラーズでは、ジーコやアルシンドの攻撃力を活かすために、本田がルーズボールを拾いまくり、サントスがそれを前線につないだ。4バックの守備能力も高かった。それが、なぜ代表チームでは活かされなかったのか?
N: ジーコ監督に対する批判的コメントが多くなったのはいつごろからなんですか?
A: あぁ、もう列車の時間に間に合わない。今日はここまでにしておくれ。(続)



  1. 2006/06/24(土) 18:29:58|
  2. サッカー|
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