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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

のびたインタビュー(ⅩⅩⅦ)-ヴェルトマイスターシャフト2006

 ノビタです。

 次回のインタビューはイタリアvsオーストラリア戦の後にしようと思っていたのですが、ジーコ監督の退任記者会見がおこなわれましたので、急遽、教授に電話してみることにしました。

N: ジーコの退任記者会見が開かれました。
A: あぁ、さっきテレビで映像が流れていたね。毅然とした立派な会見だった。お疲れさまでした。
N: ジーコ監督は「およそ4年間の任期を全うできてよかった。悔いはまったくない」と述べています。
A: そりゃ本人は悔いはないでしょうよ。でも、日本人と日本サッカー界にとっては悔いの残る4年でした。ジーコは、日本代表は世界中のどんなチームと戦っても、「自分たちのサッカーをすれば十分通用するようになった」と言っていたが、現実を直視するならば、以前よりも通用しなくなったわけでして、できれば、時計の針を巻き戻したいよね。
N: 「黄金世代」の熟成期を返してくれって感じですか。それにしても、日本国民は寛容ですよね。
A: ほんとにそう思うよ。あれだけひどい戦い方をしても、強烈にジーコを批判するわけでもなく、サッカー協会に押しかけて会長の辞任を要求するわけでもないからね。なにより、4年間ひとりの人物に代表監督をあずけていられるんだから、ほんとうに大和民族は寛容です。魏志倭人伝の記載は正確だね。倭人は「礼節を知る温厚な人柄」だと伝えている。
N: ジーコは選手として世界的なスーパースターでしたし、Jリーグを革新的にひっぱった功労者でもあり、首を切りにくいという協会の心情もわからないではないですが、トルシェについては・・・・
A: ほんとよく耐えたよね。あの時代は、岡野俊一郎が会長だったけれど、中田英以下大勢の選手とトルシェの確執が伝えられ、美少年愛好家かホモだろうとの噂もあったし、中村を日韓W杯メンバーから外してしまうような暴挙に出ても、岡野はトルシェを擁護するんだからね。あの4年間、日本人はほんとによく辛抱した。日本人以外、トルシェを4年間も雇い続ける民族はいないよ。
N: 日本代表監督退任後のトルシェは何度首を切られたでしょうか?
A: カタールの代表監督は半年ぐらいだったよね。マルセイユの監督も半年ぐらい・・・・モロッコの代表監督は2ヶ月ぐらいだったんじゃないか?? ジーコは今後どうするって言ってるの?
N: 「とりあえずリオに帰って仕事をする。欧州のクラブで監督をやるという目標も持っている」と話しています。
A: 一部のスポーツ紙には、「FCポルトの監督就任か」という大見出しが出ていたね。
N: どう思われますか?
A: FCポルトは3年前のヨーロッパ・チャンピオンでしょ。監督のモウリーニョはチェルシーに引き抜かれて、プレミアを2連覇した名将ですよ。なにかと比較されるだろうね。なにより今回のW杯で、ジーコは監督としての評価を下げたから、なかなかヨーロッパのチームから声がかからないんじゃないだろうか。
N: 先生は、ポスト・ジーコの監督選びについてはどう思われていたのですか?
A: 最初はベンゲルとエメ・ジャッケが有力な候補だとして新聞紙上をにぎわしていたでしょ。二人ともだめだ、というか、決して日本代表の監督を受けないと思っていましたよ。ベンゲルは日本代表に対して、そんなに愛着をもっていないし、ジャッケにしたって、いまさら名声を落とすような仕事を受ける必要もない。かれらにとってみれば、日本代表の監督になることは、「火中に栗を拾う」ようなものなんじゃないかな。日本代表の実力を見切っているところもあるだろうからね。
N: では、だれがいいと思ってらっしゃたのですか?
A: ある段階で、デシャンが候補として追加されるようになってきたんですよ。日本に詳しいフランス人ジャーナリストもデシャンを推薦している、というサイトをどこかで発見したんだ。
N: そのサイトはぼくもみました。デシャンは98年W杯でフランスが優勝したときのキャプテンですね。
A: そうそう。ジダンの後方にいたボランチですよ。晩年は「動けなくなった」と批判され、マスコミと口を聞かなくなったりしたんだけれど、考えてみれば、フランス代表の凋落はデシャンの引退から始まったんですよ。ジダンにしたって、デシャンあってのジダンと言ってもいいほど、デシャンの存在は重要だったんじゃないだろうか。
N: デシャンは何をしているんですか?
A: よく知らないんだけど、たしかフランスのクラブチームの監督をしているはずだよ。そんなに情報をもっているわけではないけれども、年齢も若いから年俸は高くないだろうし、デシャンなら獲得できるかもしれない。きっといい監督になるだろうって思っていたんだ。ただし、・・・
N: ただし?
A: 日本サッカーのことを知らないでしょ。だから、最初の1~2年はオシムにやってもらって、なんとかデシャンにつなぐことはできないか、なんて想像をふくらませていたんだ。
N: あれっ、やっぱりオシムじゃないですか!?
A: そうなんだ。Jリーグの監督では、オシムしか浮かばないよ。
N: 岡田や西野ではだめですか?
A: 新聞に掲載されているW杯の戦評を読むと、「やっぱり違うな」って思ってしまうんだ。
N: オシム監督はどういう指導者だと思われますか?
A: 無名の選手の個性を伸ばすのがうまいでしょ。阿部は元から有名だったけど、村井(現磐田)や巻を育てたのはオシムでしょ。無名の若い選手を鍛えて、Jリーグのトップ3を狙えるチームに育てあげた実績は高く評価すべきですよ。選手個人の集合としてみれば能力の高くないチームを勝てる軍団に飛躍させるためには、強固な組織と卓越した戦略、そして選手全員の運動量が必要です。いまの日本代表に必要なものばかりだよね。
N: 「黄金世代」の次世代のチーム作りには最適の監督ですね。
A: そうそう、その通りです。それに4年契約を断った、というところが偉いね。2年契約で2年のオプション付きだと報じられているけど、そのほうが絶対にいいよ。
N: 心配なところはありませんか?
A: ストイコビッチが入閣するんじゃないか、と言われていて、マスコミはこれを歓迎するムードなんだけれど、わたしは心配ですね。
N: どうしてですか?
A: オシムは高齢でしょ。だから2年後、ストイコビッチに代表監督職を禅定、なんて筋書きにならないか、と心配しているんだ。
N: ピクシーが監督ではまずいですか?
A: なんかジーコと似ているでしょ。元ファンタジスタで、大スターだけど、監督の経験はまったくない。
N: なかなかデシャンとつながりませんけど・・・・
A: そうなんだな。磐田あたりが監督として招聘してくれないかな。いちど手腕をみてみたいね。弱くなった磐田をデシャンが再興してくれるだけでもありがたいんだが。 (続)

  1. 2006/06/26(月) 20:54:59|
  2. サッカー|
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