ノビタです。
イタリアは、延長後半終了間際の劇的な2ゴールで開催国ドイツを下しました。すさまじい戦いでした。そして、教授の予想はまたしても当たってしまいました。
N: 先生、ライブでみられたんですか?A: ったりめえよぉ! あれをみないで何とする!!
N: 眠たくなりませんでしたね。A: お互い攻めずに小康状態が長く続いたが、その小康状態の緊張感がたまらんね!
N: 最後の2分間、どんな想いでしたでしょうか?A: 点が取れなくて、PK戦になったならばドイツが勝つ。そうなる可能性が高いと思って画面をみていたよ、固唾をのんで・・・・
N: それが、グロッソとデル・ピエロの連続ゴールで終幕しました。90分か120分かの違いはありますが、ちょっとオーストラリア戦と似てたんじゃありませんか?A: そうなんだ。自然にああいう流れになってしまうのか、リッピが誘導しているのか・・・そこまでリッピを過大評価してはいけないのだろうか。
N: 試合全体の流れをふりかえってください。A: ドイツはいつもの4-4-2で攻撃的、イタリアは4-4-1-1の守備的なシステムでスタートした。しかし、前半のイタリアはアグレッシブだった。あきらかに点を取りにいこうとしていた。前線からプレスをかけてドイツのボールを奪い取り、速攻でドイツのゴールを狙う。
N: 後半は形勢が逆転しましたね。A: そうみえた。実況中継をみているときには、ドイツが優勢でイタリアは攻め手がないな、と思っていたんだが、試合終了後に考え直すと、後半もイタリア・ペースだったんだ。
N: どういうことですか?A: リッピのゲームプランは、たぶんこうだったと思う。前半は点を取りに行く。点を取れたら、その1点を90分間守りきる。前半に点がとれない場合、勝負は延長戦にもちこす。だから、後半は攻めさせればいい。
N: 意図的に攻めさせるということですか?A: そう。カテナチオでゴール前に蓋をする。ドイツの攻撃陣では、イタリアの守備陣を破れないことをリッピは知っていた。イタリアはドイツを攻めようともしなかった。
N: 後半途中から、トニをジラルディーノに替えましたね。A: 予定どおりだろうね。あれは、動けなくなった1トップを替えただけです。大きな戦略的意味はない。
N: 90分で1枚しかカードを切りませんでした・・・A: 延長勝負を見越していたとしかいいようがないな。わたしが監督なら、采配で失敗したと思うよ。
N: どういうことですか?A: だって、北朝鮮のミサイルが発射されたっていうテロップが流れて、びびっちゃったんだもの。
N: いや、あれにはまいりましたね。日本海を越えて、鳥取に着弾するんじゃないかと恐ろしくなりました。A: ・・・・カモラネージがボールを奪われすぎだったでしょ。なんで替えないのか、いらついていたんだ。わたしが監督なら、後半途中で替えてたね。これは間違いだ。いつでも攻めようとするから替えたくなる。攻防にはめりはりが必要だ。攻めるときと守るとき、その切り替えをはっきりすること。改めてリッピに教えられたよ。
N: 延長前半になって、ようやくカモラネージをイアキンタに替えました。A: 「勝負に出る」という号令さ。戦闘再開!! カモラネージはミスが多かったけれども、自軍ゴールから遠い位置でのミスだったから、さほどリスクが大きくなかった。高いポジションでミスしても、自軍ゴール前に鍵をかけてしまえば問題ない、というのが後半45分の策だったと思う。むしろ、カモラネージを替えない、ということが「守れ!」というサインだったとみるべきでしょう。
N: 敢えて攻める必要はない、ということですね。攻めさせて、守れ!A: リッピは延長戦にかけていた。まずカモラネージを下げてイアキンタ、まもなくペロッタも下げてデル・ピエロを投入した。みんな気づいていないかもしれないけれど、この段階でシステムは4-4-1-1から4-2-3-1に変化している。フランスと同じ攻撃的システムだよ。リッピは最後の18分間、このシステムにかけた。このシステムで点を取りにいったんだ。
N: しかし、なかなかゴールは生まれませんでした。A: 残り5分を切って、わたしも諦めムードになっていったよ。0-0からPK戦か。PK戦全勝のドイツと連敗中のイタリア。ここでイタリアの命運が尽きると思っていた延長後半14分、・・・・
N: ピルロのノールック・パスからグロッソのダイレクト・シュート!A: そして、ロスタイムにデル・ピエロのだめ押し。ほんと予想どおりだろ、2-0と言ったはずだよ。
N: 今日のMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)を選ぶとすれば誰でしょうか?A: 攻撃面ではピルロが目立ったけど、わたしならカンナバロを選ぶね。
N: たしかに、すごいストッパーですね。A: 背が175㎝と低いのにヘディングは高いし、FWにボールがわたる直前の足下でさらっとボールを奪うし、カバリングはもちろん超一級。世界一のストッパーだよ。
N: カンナバロのヘディングは滞空時間が長いですね。早く飛んで、ずっと宙に浮いている。
A: ザンブロッタの守備も光ったよ。ラームのフェイクにびくとも動かない。マンマークの基本中の基本だよね。相手のフェイントに対して、ボールだけを凝視し、体の重心が動かない。日本も、ああいうサイドバックを育ててほしいものだ。
N: 久しぶりにご機嫌ですね、先生!A: いや、今回のW杯で優勝してほしくなかった2チームが相次いで消えたからね。
N: どこですか?A: ブラジルとドイツだよ。
N: ブラジルはディスコ遊びの後遺症でしょうが、ドイツというチームについて、どう思われましたか?A: どこのスイスだ! あんまり強くない。アルゼンチンに勝てたのは運が良かったからだね。スターがいない。ベッケンバウアーのようなエレガントな選手は一人もいなっかった。画面でみる選手の顔がアマチュアなんだわ。アジアで言えば、中国があんな感じなんだな。ユニホームも良くないし、プロの顔をしていない。あるのはゲルマン魂だけ・・・・
N: 4年前の韓国と似ていないこともありませんね。A: そういう風に理解できないこともない。ホームの利を活かして勝ち進んでいるんだけど、中立地で戦えば、そう怖いチームではないよね。
N: とうとうイタリアが決勝に進出しました。A: あとはジダンの勝ち上がりを待つだけさ。
N: リッピ対ジダンですね。やはりイタリアを応援するのですか?A: いや、どちらが勝ってもいい。ブラジルを消したフランスとドイツを消したイタリア、攻めるフランスと守るイタリア・・・・たまらんね! (続)
- 2006/07/05(水) 20:58:27|
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