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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

鳥取県林業試験場訪問

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 加藤家住宅の修復に関する資料を持参し、鳥取市河原町稲常にある鳥取県林業試験場へと、先生、やっちゃん1号(筆者)、やっちゃん2号の3人が赴きました。日本住宅・木材技術センター(HOWTEC)が補助する事業「茅葺き風<杉板トチ葺き鉄板被覆屋根>の開発」には、地域産材の活用が盛り込まれているからです。そこで、鳥取県木造住宅推進協議会の推薦もあり、木材についての助言をいただきにO平室長を尋ねたわけです。
 ここでは、とくに屋根につかう木材の話を伺いました。授かった助言のなかで、重要な項目をあげておきましょう。
 1)木材を湿気の多い場所で使うときは、樹種は問わないが、赤身(芯材)が適しており、これを使うべき。軒付のトチ葺き風仕上げでも、問題ない。
 2)ただし、軒付でコバを重ねる場合、平カンナ仕上げの材を重ね合わせるより、いくらかラフな仕上げとして、材と材のあいだに隙間をもたせるほうが良い。わずかな隙間から水が抜け易くなり、腐朽が起こりにくい。したがって、伝統的な方法である割板を視野にいれてみるのもいいかもしれない。

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 もうひとつ、「材積」という用語をはじめて耳にしました。これは、工事での木材使用量(単位は㎥)を表すそうで、コストを計算するには、材積が欠かせないとのことでした。そして、材積を求める作業は、施工にはいるまでに材料調達をするためにも、できるだけ早く必要にくるとの説明をうけました。要するに、設計を急がなければならないのです。
 この後、場内の施設を見学させていただきました。秋には、試験場の機材を使わせていただき、私たちが作業をすることも可能と説明を受けました。丸太からの加工もできますとのことで、セルフビルダーには打ってつけの施設ではないかと、先生は言われていました。そして今、チャックとケンボーは、同様の施設を有する中国工業で、インターン・シップ中ですが、後期がはじまるときには、これらの工具を手なずけていることを期待しておられました。
 林業試験場でのちょっとした掘り出し物として、集成材がありました。この集成材を軒付に使うと、一見トチ葺き風にみあるではありませんか。集成材そのものを意匠に取り入れることは大変おもしろいのではないかと、先生とともに感じた次第です。(とある大学院生)

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トチ葺きの軒付に応用できそうな集成材。くすんだ茶色にみえるのが赤身。



シラタ(辺材)とアカミ(心材)の差がよくわかる。
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  1. 2006/08/23(水) 20:32:37|
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