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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

めざせ、ハロン湾!(Ⅱ)

 というわけで、5日ぶりに鳥取に戻ってきた。今日は、いつもより1本早いスーパーはくと9号に乗った。京都発14:51。曇り空で、暑さは峠をすぎた感もある。乗車前、いつもと同じフルーツ&ベジタブルジュースのスタンドバーに入り、いつもと同じカシス&黒酢のミックスジュースを注文した。

 京都駅に移動する近鉄急行の車内から、マイケル・クライトンの『恐怖の存在』を読み始め、JR特急をまつ待合いの椅子に腰掛けてカシス&黒酢ジュースを飲みながら読み続け、スーパーはくと9号の自由席(2号車)でその上巻を読み終えた。大富豪ジョージ・モートンは環境保護団体NERFの祝賀パーティでマティニに泥酔し、モンテーニュの格言「くわしく知られていないことほど、固く信じられている」を引用しながら、NERFに対する資金援助打ち切りの演説をおこない、そのままフェラーリを運転して、海岸の崖に突っ込んで行方不明となってしまった(私註:かれは間違いなく生きている)。代わって登場してきたのが、MIT危機分析センター所長のジョン・ケナー教授。かれはモートンの自宅で、ある暗号を入手し、その解読から南極に飛んだ。そこでは、環境テロリストの3名が氷山を爆破しようと企んでいたのだが、それをなんとか阻止する・・・・という派手なストーリーの連続に息を呑む。
 すでに述べたように、この本の前提は「二酸化炭素排出に伴う地球温暖化」への懐疑であり、いまでは知識人のあいだで常識化している地球温暖化現象の科学的根拠がいかに乏しいのかを、各所でデータを示しながら、繰り返し説いている。それを講釈するのがジョン・ケナーであり、ケナーに反論し質問し続けるのがノートンの顧問弁護士ピーター・エヴァンズであって、両者の問答がこのフィクションの下地をなす。と同時に、それはクライトンが本書で主張したい核心的部分であるから、ケナーはクライトンの化身にほかならない。

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 下巻はベトナム調査旅行にとっておこう、と思う。上巻はさっさとワイフにわたしてしまおう。彼女は最近、友人から譲り受けた小説を読んでいる。その小説は、マイケル・クライトンの『タイムライン』であった。どうやらテレポーテーションに関するSFらしい。不思議なもので、たまに奈良の自宅に帰って、読んでいる小説を夫婦で見せ合うと、どちらもクライトンの作品だったのである。さっそく彼女に「地球温暖化に関する懐疑」について述べたところ、矢継ぎ早に反論された。
  「だって、佐治はあんなに暑くなかったもの!」
クーラーはもちろんのこと、扇風機だって要らなかった佐治の実家に戻ると、ものすごく暑かった、というのが彼女の論拠であり、それ以外にも、ピーター・エヴァンズと同じ通説をいくつも並べてみせた。わたしはケナーでもクライトンでもないから、ワイフを論駁するだけの科学的な証拠を示せるわけではない。だから、『恐怖の存在』を読んでもらうしかないと思うのだ(もちろん、わたしはこの本の内容を全面的に信奉しているわけではない)。

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 午後6時前に特急は郡家駅に着いた。しばらくすると、今日のインターンシップ活動を終えたチャックが赤い車で迎えにあらわれた。今晩は、9月2日に先発で渡越するC助教授と打ち合わせができる最後の一日だったので、チャックにも参加してもらうことにしたのである。調査道具や服装・カバン、旅程などについて、ひとしきり話をした。ハロン湾における水上集落は位置を固定していない。その集住形態を如何に図化するのかが、調査の大きなテーマとなる。クライトンの影響ではないけれども、ひとつ思い浮かんだのはGPSで、「歴史的建造物のデジタルマッピング」で大活躍したGPS付デジカメをもっていくことにした。今回のベトナム調査は、GPS付デジカメをはじめて海外で使う機会となりそうだ。ホカノ=某大学院生によると、海外での座標表示には、スーパーマップルやカシミールとは別のソフトが必要だそうだが、そのソフトでどんなことができるのか、今から楽しみだ。チャックはあとでホカノ先輩にその操作法を教わっていた。
 明日は、もう一人参加する学生(O君2号)と3人でカメラ類と実測用具を揃える。わたしたちの出発日は4日。C助教授と再会するのは、7日午前のハノイである。

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  1. 2006/08/31(木) 22:19:03|
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