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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

建具・畳の搬出(Ⅰ) -加藤家修復プロジェクト

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 「前期に引き続き、今回のプロジェクト研2&4のメンバーも非常に頼もしい。みんなお互いに助け合っているし、要領もいい!!最高のメンバーだ。」と01号は心からそう思った。
 4限開始のチャイムが鳴り、プロジェクト研究のメンバーは続々と13講義室に集まってきた。メンバーの何人かは、前期のプロジェクト研究メンバーと同じである。そのせいか、プロジェクト研究の3回目にしては、和やかな雰囲気が感じられた。メンバーが13講義室に一通り集結すると、先生の指示に従い移動開始。今回、加藤家住宅内で行われた活動内容は以下のとおり。
 1)建具と畳をプレハブユニットに搬入する(プロジェクト研究2メンバー)
 2)茶器の撮影(プロジェクト研究4メンバー数人)
 加藤家住宅に着くと、そこには昨日とは少し異なった風景がひろがっていた。2階建てプレハブユニットの隣に仮設トイレが設置されていたのである。スケジュールによると、本日の10時~11時の間に設置されたようだ。その真新しいプレハブユニットとトイレをあとに、プロジェクト研究メンバーは裏口から加藤家に入っていった。

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 今回、居住者Oが担当した活動内容は上記の1)に記した搬入である。しかし、今回リースしたプレハブユニットは「出来る限り傷つけないでほしい。」と業者さんの方から強い要望があった。例えば、建具などを直接床に置いてしまうと、床が傷ついてしまう可能性が無きにしも非ずである。それに何より、建具か傷つかないという保障もない。貴重な建具に傷をつけようものなら、これこそ本当に大変なことである。01号はそのことを心配し、「まず何枚かの畳をプレハブユニットの床に敷き詰めた後に、建具を搬入した方がイイと思います。」と大学院生に伝え、承諾を得た。そして、移動スペースは残しイロリノマの畳数枚をプレハブユニットへと搬入した。
 その後、プロジェクト研究メンバーの一人Nさん(環境デザイン学科1年)は自作の番付テープを各建具および、畳に貼り付けて行った。そして、番付し終えた建具を男の子数名で取り外す。Nさん以外の女の子はそれらの建具を梱包(この日に備え、女の子は梱包用のエアーキャップを用意していた)。一番最初に述べたように、みな本当に要領がいい。男の子は慣れた手つきで建具を取り外し、女の子はそれを上手く梱包していく。その俊敏な動きに01号はただただ関心するばかりである。

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 その頃、再利用の達人チャック(浅川研究室3年生)は黙々と水屋(大小2つの水屋)と箪笥の調査をおこなっていた。というのも、管理人のKさんが使わなくなった水屋と箪笥をくださるとおっしゃったので、その活用法を思案していたのである。彼の眼差しは正に職人である。また、それだけに洞察力も鋭い!調査終了後、チャックは水屋の寸法や、耐力的に不安な部分などを詳しく説明してくれた。その中に、現在、居住者Oの食器などが収納してある水屋も含まれていた。その水屋は、以前加藤家住宅に食堂があった時に備え付けられていたものらしく、明治4年から現在に至るまで使用されてきたものである。先生の判断により、その水屋を居住者Oが間もなく生活する予定の2階建てプレハブユニットの上階部分に搬入することになった。そのお陰で室内空間が2分割され、居住者Oが寝泊りする空間とY君が模型作成など行う2つの空間が生まれる。しかし、そこには大きな問題が隠されていた。
 いざ、水屋をプレハブユニットの上階に搬入しようと思い、チャックとケンボー(浅川研究室3年)、居住者Oは水屋を外に出した。そして、念のためプレハブユニットに設けられた階段の幅を測ってみる。すると、上階の入り口部分が思ったより狭く、大きな水屋を回転させるスペースがない。と言うことは、必然的に水屋をプレハブユニット内に搬入することができないということになる。これは困ったことである。しかし、いくらあがいても無理なものは無理なので、3人は搬入をあきらめ水屋を元の位置に戻した。今後、この水屋の利用法に関しても考えなくてはならないようだ。ちなみに、チャックは「この水屋を解体し、プロジェクト研究4のテーマである「置き水屋」の材にしてはどうか?」と提示した。

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 3人が悪戦苦闘している横では、建具と畳の搬入が着々と進行していた。話を聞くと、梱包用に買ってきたエアーキャップが無くなってしまい、数枚の建具が残ってしまったと言う。しかたないのでそれらの建具は次回に持ち越しというかたちにした。それから、さらに畳の搬入を行い、時間にして5時30分ぐらいに今回の搬入を終えた(通行するための畳が数枚残っている)。
 搬入終了後、加藤家住宅内を見渡したのだが、そこには非常に広々とした空間が存在していた。加藤家住宅は壁が少なく、建具を用いていくつかの空間を構成しているので、その建具を取り外すとさすがにスゴイ!!みなその広さに驚いていた。今後この空間がどのように変化していくのか楽しみである。(01号)

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<↑:搬入完了後のプレハブユニット内 ↓:搬入完了後の加藤家オモヤ内部>20061012232615.jpg

  1. 2006/10/12(木) 22:32:52|
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